#058 治療中の仮のフタが取れた!これ大丈夫なん?

治療中の仮のフタが取れて大丈夫なのか歯科医師に相談する患者さんの4コマ漫画
仮のフタは治療中の歯に食べ物や唾液・細菌が入りにくくするためのものと説明する歯科医師
治療中の仮詰めが取れると歯の中に汚れや細菌が入り再感染する可能性がある説明
仮のフタが取れたら自分で詰めたり接着したりせず早めに歯科医院へ連絡するよう説明する歯科医師

【4コマ解説】

目次

治療中の仮のフタが取れた!これ大丈夫なん?

「根っこの治療中やのに、仮のフタが取れた!」
「痛くないし、このまま次の予約まで放っといてええ?」
「自分で何か詰めといた方がいいんかな?」

歯科治療の途中で入れている仮のフタが取れると、心配になりますよね。

結論からいうと、仮のフタが取れた場合は、そのまま長期間放置せず、まず歯科医院へ連絡してください。

特に根管治療の途中では、仮のフタには歯の内部へ唾液や細菌、食べ物などが入りにくくする大切な役割があります。

「仮やから取れても大丈夫」というものではありません。

そもそも「仮のフタ」って何のためにしてるん?

根管治療は、一度の診療ですべての処置が終了するとは限りません。

歯の状態によっては、

根管内を清掃する
↓
洗浄・消毒する
↓
状態を確認する
↓
次回さらに治療する

というように、複数回に分けて治療を行います。

その間、治療した歯を開けたままにしておくわけにはいきません。

そこで、次の治療までの間、歯の入口を一時的に封鎖するために使用するのが**仮のフタ(仮封材)**です。

根管治療そのものについて詳しく知りたい方は、
「#051 根っこの治療って、いったい何してるん?」
もご覧ください。

仮のフタには、歯の中を守る役割があります

お口の中には、多くの細菌が存在しています。

当然、唾液の中にも細菌がいます。

根管治療では、歯の根の中から感染源を取り除き、できるだけ細菌を減らすために清掃・洗浄・消毒を行っています。

その治療と治療の間に歯の入口が開いた状態になっていると、そこから唾液や細菌が入り込む可能性があります。

そこで仮のフタをして、

歯の中へ唾液や細菌が入りにくくする

わけです。

また、食べ物などが治療中の歯の内部へ入り込むのを防ぐ役割もあります。

仮のフタが取れたら、何が問題なん?

仮のフタが完全に取れて歯の内部が開いた状態になると、唾液や食べ物、細菌などが入り込みやすくなります。

特に根管治療中の場合、せっかく清掃・消毒している根管内が再び汚染される可能性があります。

そうなると、次回の治療時に改めて根管内を清掃・消毒する必要が出てくる場合があります。

つまり、

「仮のフタが取れただけ」

と思っていても、治療経過に影響する可能性があるということです。

痛くなかったら、そのままでもええの?

痛みがなくても、そのまま放置することはおすすめできません。

根管治療では、

痛くない=歯の中に問題がない

とは限りません。

仮のフタが取れて細菌が入り込んでも、すぐに強い痛みが出るとは限らないからです。

しばらく症状がなくても、その後に根の先で炎症が起こり、

「噛むと痛い」
「歯ぐきが腫れた」
「またズキズキしてきた」

という症状が出ることもあります。

そのため、痛みの有無だけで判断せず、仮のフタが取れたこと自体を歯科医院へ伝えてください。

仮のフタが少し欠けただけなら?

仮のフタは、使用しているうちに表面が少しすり減ったり、一部が欠けたりすることがあります。

そのため、

「ちょっと表面が減った気がする」

というだけで、必ずしも仮のフタが全部取れているとは限りません。

一方で、

明らかに穴が開いている
舌で触ると大きく凹んでいる
詰めていたものが丸ごと取れた
食べ物が中に入る感じがする

といった場合には確認が必要です。

ご自身では「どこまで取れたのか」が分かりにくいこともありますので、迷った場合は歯科医院へ連絡してください。

仮のフタが取れたら、自分で詰めてもいい?

ご自身で何かを詰めたり、接着剤などで戻したりするのはやめてください。

市販の接着剤は、歯科治療でお口の中に使用することを目的としたものではありません。

また、適当な材料で穴を塞いでしまうと、中に食べ物や細菌などを閉じ込めたり、その後の治療の妨げになったりする可能性があります。

取れてしまった場合は、

自分で何とかしようとせず、まず歯科医院へ連絡する

のが基本です。

歯科医院へ行くまで、その歯で噛んでもいい?

仮のフタが取れている可能性がある場合は、受診するまでできるだけその歯で硬いものを噛まないようにしてください。

根管治療中の歯は、大きな虫歯や治療によって歯質が少なくなっていることがあります。

その状態で強い力がかかると、歯が欠けたり割れたりする可能性があります。

特に、

氷や硬いお菓子などを噛むことや、その歯で強く食いしばることは避けた方がよいでしょう。

根管治療中の歯を途中で放置するリスクについては、
「#055 根っこの治療、途中でやめたらどうなるん?」
でも詳しく解説しています。

次の予約が明日なら、そのままでええ?

仮のフタが取れたときに、

「次の予約が明日やし、そのときでええかな?」

と思うかもしれません。

実際にどの程度急いで対応する必要があるかは、

仮のフタがどの程度取れているか
治療のどの段階なのか
痛みや腫れがあるか
歯の状態

によって異なります。

そのため、自己判断するよりも、

「仮のフタが取れたみたいなんですが、次の予約までそのままで大丈夫ですか?」

と医院へ連絡して確認してください。

状態を聞いたうえで、予定どおりの受診でよいのか、早めに来院した方がよいのかを判断します。

強い痛みや腫れがある場合は早めに連絡してください

仮のフタが取れたあとに、

強くズキズキする
噛めないほど痛い
歯ぐきが腫れてきた
顔まで腫れてきた
膿が出る

といった症状がある場合には、次回予約まで待たずに歯科医院へ連絡してください。

根管内で感染や炎症が強くなっている可能性があります。

根管治療中・治療後の痛みについては、
「#053 根っこの治療中って、痛くなることあるん?」
も参考にしてください。

仮のフタが取れると「再感染」につながることがあります

根管治療では、根の中の細菌をできるだけ減らすことが重要です。

それと同じくらい、

治療後に新しい細菌を入れないこと

も大切です。

仮のフタが取れたり、最終的な被せ物に隙間ができたりすると、歯の上側から細菌が入り込み、根管内が再び感染する原因になることがあります。

一度根管治療した歯が再び悪くなる理由については、
「#057 一回治した根っこ、また悪くなることあるん?」
で詳しく解説しています。

つまり、根管治療では、

根の中をきれいにすること
と
治療後にしっかり封鎖すること

の両方が重要です。

最終的には、きちんと歯を修復する必要があります

仮のフタはあくまで、治療途中に使用する一時的なものです。

根管治療が終了したあとも、そのまま仮の状態で長期間使い続けるものではありません。

歯の状態に応じて、

根管充填
↓
土台
↓
被せ物などの最終的な修復

へ進めていきます。

根管治療後になぜ被せ物が必要になることがあるのかについては、
「#056 根っこの治療が終わったら、なんで被せ物するん?」
で詳しく解説しています。

根管治療後の歯をできるだけ長く使っていくためには、根の治療だけではなく、最終的な修復まできちんと終えることが大切です。

仮のフタが取れたら「とりあえず連絡」でOKです

治療中の仮のフタが取れたとき、

「こんなんで電話したら迷惑かな?」
「痛くないし、わざわざ言わんでもええかな?」

と思う必要はありません。

仮のフタには、

唾液や細菌が歯の中へ入りにくくする
食べ物が治療中の歯へ入るのを防ぐ
次回の治療まで歯の内部を守る

という大切な役割があります。

取れてしまった場合は、

自分で詰めない
接着剤で戻さない
その歯で硬いものを噛まない
まず歯科医院へ連絡する

と覚えておいてください。

特に根管治療中では、歯の内部をできるだけ清潔な状態に保つことが重要です。

「仮のフタ取れたけど、これ大丈夫なん?」

というときは、遠慮なく歯科医院へご連絡ください。

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