#051 根っこの治療って、いったい何してるん?

根っこの治療とは何をするのか歯科医師に質問する患者さんの4コマ漫画
根管治療で歯の根の中の細菌や感染した組織を取り除く様子を説明する歯科医師
根管治療で根の中を清掃したあと薬を詰めて封鎖し土台や被せ物につなげる流れ
根管治療は細菌による再感染を防ぎ自分の歯を残すために行う治療と説明する歯科医師

【4コマ解説】

目次

根っこの治療って、いったい何してるん?

歯医者で、

「神経まで虫歯が進んでいます」
「根っこの治療が必要です」

と言われたものの、

「根っこの治療って何してるん?」
「歯の中を何回も触ってるけど、何をしてるの?」
「神経を取ったら終わりちゃうの?」

と思ったことはありませんか?

いわゆる「根っこの治療」は、歯科では**根管治療(こんかんちりょう)**と呼ばれます。

根管治療は、歯の内部に入り込んだ細菌や感染した組織を取り除き、根の中を清掃・消毒して、できるだけ自分の歯を残すことを目指す治療です。

歯の中には「根管」という細い空間があります

歯は、外から見えている部分だけでできているわけではありません。

歯の内部には神経や血管が入っている細い空間があり、その空間を根管と呼びます。

虫歯が深く進行すると、細菌がこの根管まで入り込み、歯の神経に炎症を起こすことがあります。

さらに感染が進むと、神経が死んでしまったり、歯の根の先に膿がたまったりすることもあります。

このような場合に、根管の中から感染源を取り除くために行うのが根管治療です。

根管治療では、まず感染した組織を取り除きます

治療では、歯の上部から根管へアクセスし、細い器具を使って根の中を清掃していきます。

感染してしまった神経や汚れなどを取り除きながら、根管の内部をきれいにしていきます。

歯の根は外から見ると一本に見えても、内部の根管は非常に細く、曲がっていたり、複雑に分岐していたりすることがあります。

そのため、

「神経を取ったら、それで終わり」

という単純な治療ではありません。

根管の中にできるだけ感染源を残さないことが重要です。

根の中を洗浄・消毒します

器具で根管内を清掃するだけではなく、洗浄液などを使用して根の中を洗浄・消毒します。

根管治療で重要なのは、

根の中から細菌をできるだけ減らし、再び細菌が増えにくい環境を作ること

です。

感染の程度や根管の状態によっては、一度の治療だけでは十分に改善せず、何回かに分けて根の中を清掃・消毒することがあります。

そのため、

「なんで毎回同じ歯を治療してるん?」

と思われるかもしれませんが、その都度、根管内の状態を確認しながら治療を進めています。

根の中がきれいになったら「根管充填」を行います

根管内の清掃・消毒が終わり、状態が落ち着いたら、根の中に専用の材料を詰めます。

これを**根管充填(こんかんじゅうてん)**といいます。

せっかく根管の中をきれいにしても、空洞のままでは再び細菌が入り込む可能性があります。

そのため、根管の内部を材料で封鎖して、再感染しにくい状態を作ります。

根管治療は、

感染した組織を除去する
↓
根管内を清掃・消毒する
↓
根管充填で封鎖する

という流れで進んでいきます。

根管治療では「ラバーダム」が重要です

根管治療では、治療中に唾液が根管の中へ入らないようにすることが重要です。

唾液の中には多くの細菌が存在するため、せっかく根管内を清掃しても、唾液によって再び細菌が入り込んでは治療の妨げになります。

そこで使用するのがラバーダム防湿です。

ラバーダムは、治療する歯だけをゴムのシートから出して、周囲の唾液などから隔離する方法です。

また、根管治療で使用する小さな器具や洗浄液が、お口の中へ落ちることを防ぐ役割もあります。

びわ湖大津デンタルクリニックでは、根管治療の際にラバーダム防湿を積極的に使用しています。

ラバーダムについて詳しく知りたい方は、
「歯科治療で使う『ラバーダム防湿』とは?」
もご覧ください。

根管治療が終わったら、それで治療終了ではありません

根管充填が終わったあと、

「根っこの治療が終わったから、もうこの歯は完成やな」

と思われるかもしれません。

しかし、多くの場合はその後に土台や被せ物の治療が必要になります。

根管治療が必要になる歯は、大きな虫歯などによって歯そのものが弱くなっていることが多いためです。

残っている歯の量や位置、噛み合わせなどを確認し、必要に応じて土台を作り、その上に被せ物を装着します。

つまり、

根管治療は「歯の中の感染を治す治療」

であり、

その後に、

「歯として再び噛めるように修復する治療」

が必要になることがあります。

神経を取った歯でも、また痛くなることがあります

「神経を取った歯なら、もう二度と痛くならへんの?」

という質問もよくあります。

神経を取った歯でも、根の先に炎症が起こったり、根管内で再感染したりすると、噛んだときの痛みや腫れなどが出ることがあります。

つまり、

神経がない=その歯に今後トラブルが起こらない

という意味ではありません。

神経を取った歯で再び痛みが出る理由については、
「#009 神経取った歯って、もう痛くならへんの?」
でも詳しく解説しています。

根管治療は「歯を抜かずに残すため」の治療です

虫歯が神経まで進行してしまったからといって、必ずすぐに抜歯になるわけではありません。

歯の根や周囲の骨などの状態によっては、根管治療を行うことで自分の歯を残せる可能性があります。

根管治療の目的は、

ただ神経を取ることではありません。

根管内の感染源を除去し、再感染を防ぎながら、その歯をできるだけ長く使える状態にすることが大切です。

ただし、歯根が大きく割れている場合や、歯を支える骨が大きく失われている場合など、状態によっては保存が難しいこともあります。

歯を残せるかどうかは、レントゲンなども含めて総合的に判断します。

根管治療が怖い方へ

根管治療と聞くと、

「痛そう」
「何回も通うのが怖い」
「長時間口を開けているのがつらい」

と不安になる方もいらっしゃいます。

通常は必要に応じて局所麻酔を使用しながら治療を行います。

また、歯科治療への恐怖心が非常に強く、通常の方法では治療が難しい場合には、全身状態などを確認したうえで静脈内鎮静法を検討することもあります。

当院では、静脈内鎮静法を使用して根管治療を含む複数の歯科治療を行った症例もあります。

歯科治療への恐怖が強い方は、
「歯医者が怖くて治療できない方へ|静脈内鎮静法」
もご覧ください。

根っこの治療は「見えないところ」を治す大切な治療です

根管治療は、お口の外から見ただけでは何をしているのか分かりにくい治療です。

しかし実際には、

感染した組織を取り除く
↓
根管内を清掃・消毒する
↓
根管充填を行う
↓
土台や被せ物で歯を修復する

という工程を重ねながら、できるだけその歯を残すことを目指しています。

「何回も同じ歯を触ってるけど、何してるんやろ?」

と思ったときは、遠慮なくお尋ねください。

根管治療は、悪くなった歯を抜かずに、自分の歯としてもう一度使えるようにするための大切な治療です。

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