#056 根っこの治療が終わったら、なんで被せ物するん?
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【4コマ解説】
根っこの治療が終わったら、なんで被せ物するん?
「やっと根っこの治療が終わった!」
と思ったら、
「次は土台を作って、被せ物をしますね」
と言われて、
「えっ、まだ治療続くん?」
「根っこの治療終わったんやったら、そのままじゃあかんの?」
「なんでわざわざ被せ物するん?」
と思ったことはありませんか?
根管治療が終わった歯では、歯の状態によって土台や被せ物などの修復治療が必要になることがあります。
その大きな理由は、根管治療をしたから単純に歯が「枯れて弱くなる」というよりも、
深い虫歯や過去の治療によって、残っている歯そのものが少なくなっていることが多いから
です。
特に奥歯では強い噛む力がかかるため、残っている歯質の量や形によっては、歯を覆って守る治療が重要になります。
そもそも根管治療では何をしてるの?
根管治療では、
感染した組織や汚れを取り除く
↓
根管内を清掃・洗浄・消毒する
↓
根の中を材料で封鎖する
という処置を行います。
詳しくは、
「#051 根っこの治療って、いったい何してるん?」
で解説しています。
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根管治療の目的は、歯の根の中の感染を治療することです。
しかし、根管治療が終わったからといって、その歯が再び噛める形まで完成したわけではありません。
次に、残っている歯をどのように修復するかを考える必要があります。
根管治療が必要な歯は、もともと大きく壊れていることが多い
根管治療が必要になる代表的な原因は、深い虫歯です。
虫歯が神経まで到達するほど進行しているということは、その時点ですでに多くの歯質を失っている場合があります。
さらに根管治療では、根の中へ器具を入れて治療するための入口を作る必要があります。
つまり、
深い虫歯で歯を失っている
+
根管治療を行うために歯を削る
ことで、健康な歯と比べて残っている歯質が少なくなることがあります。
この**「残っている歯質が少ない」ことが、治療後の歯が割れやすくなる大きな要因**です。
「神経を取ったから歯が弱くなる」だけではありません
よく、
「神経を取ると歯が枯れて、もろくなる」
と説明されることがあります。
確かに神経を取った歯にはさまざまな変化がありますが、治療後の歯が割れやすくなる理由を考えるうえでは、どれだけ健康な歯質が残っているかが非常に重要です。
根管治療そのものだけで歯が急激にもろくなるというより、
虫歯や過去の治療によって歯質が失われていること
歯の壁や咬頭が薄くなっていること
が破折リスクに大きく関係します。
そのため、根管治療後の修復方法を決めるときには、
「神経を取った歯かどうか」だけではなく、「どれだけ自分の歯が残っているか」
を確認します。
特に奥歯には強い噛む力がかかります
奥歯は、食事のときに大きな力を受けます。
残っている歯質が薄くなった歯に強い力が繰り返しかかると、
- 歯の一部が欠ける
- 咬頭が割れる
- 歯が大きく破折する
- 歯の根まで割れる
といったトラブルが起こる可能性があります。
そこで、状態によっては被せ物やオンレーなどで歯の咬頭を覆い、噛む力から残っている歯を守ることを考えます。
特に根管治療をした小臼歯や大臼歯では、残っている歯質の状態によって、咬頭を覆う修復が重要になります。
被せ物は何のためにするの?
被せ物には、
見た目をきれいにする
だけではなく、
歯の形を回復する
しっかり噛めるようにする
残っている歯質を守る
歯が割れるリスクを減らす
歯の内部への細菌の侵入を防ぎやすくする
といった役割があります。
根管治療で根の中をきれいにしても、上から細菌が入り込める状態では再感染につながる可能性があります。
そのため、根の治療と、その後の修復治療の両方が重要です。
根管治療が終わったら、まず「土台」を作ることがあります
根管治療後に歯が大きく失われている場合には、いきなり被せ物を作るのではなく、まず**歯の土台(コア)**を作ることがあります。
土台は、失われた歯の部分を補い、被せ物を装着できる形を作るためのものです。
ただし、
「神経を取った歯には必ず歯の根の中へ長い芯を入れる」
というわけではありません。
残っている歯質の量などによって、必要な土台の形や方法は異なります。
歯の土台については、
「#069 歯の土台って、何のために入れるん?」
で詳しく解説しています。
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根管治療した歯は、全部被せ物にするの?
必ずしもすべての歯を被せ物にするわけではありません。
ここは大切なポイントです。
どのような修復方法が適しているかは、
- 残っている健康な歯質の量
- 歯の位置
- 前歯か奥歯か
- 歯の壁がどれくらい残っているか
- 亀裂があるか
- 噛み合わせ
- 歯ぎしり・食いしばり
- 周囲の歯の状態
などを確認して判断します。
たとえば、前歯で健康な歯質が十分に残っている場合には、コンポジットレジンなどで修復できることもあります。
一方、奥歯で歯質が大きく失われている場合には、クラウンやオンレーなど、咬頭を覆う修復方法を検討することがあります。
つまり、
「根管治療したから全員同じ被せ物」
ではありません。
その歯の状態に合わせて修復方法を選びます。
「被せ物」といっても、治療方法は一つではありません
歯の状態によっては、
- クラウン
- オンレー
- その他の接着性修復
など、いくつかの選択肢があります。
近年は接着材料やセラミックなどの進歩によって、できるだけ健康な歯質を残しながら歯を守る治療方法も選択できるようになっています。
そのため、
「根管治療したら、とにかく全部削ってクラウン」
という考え方ではなく、
必要な強度を確保しながら、できるだけ自分の歯を残す
ことも重要です。
根管治療が終わったのに、そのまま放置したらどうなる?
根管治療が終了すると痛みがなくなり、
「もう困ってないから、被せ物はまた今度でええか」
と思ってしまうことがあります。
しかし、根管治療後の歯を長期間仮の状態で使用することはおすすめできません。
仮の詰め物が劣化したり、歯が欠けたりすると、
細菌が再び歯の内部へ入り込む
歯そのものが割れる
といったトラブルにつながる可能性があります。
特に大きく歯質を失った歯では、最終的な修復を行う前に歯が割れてしまうと、せっかく根管治療を行っても歯を残せなくなる場合があります。
根管治療を途中でやめるリスクについては、
「#055 根っこの治療、途中でやめたらどうなるん?」
でも詳しく解説しています。
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被せ物をしたら、もうその歯は安心?
被せ物を入れたからといって、その歯が永久にトラブルを起こさないわけではありません。
被せ物と歯の境目から虫歯になったり、根管内で再感染が起こったり、強い噛む力によって歯が割れたりする可能性はあります。
そのため、
被せ物を入れて終わり
ではなく、その後の定期的なチェックやメンテナンスも大切です。
特に神経を取った歯では、虫歯が進んでも痛みを感じにくいことがあります。
症状がなくても定期的に状態を確認することをおすすめします。
神経を取った歯でも、再び痛くなることがあります
「神経取って被せ物したら、もう痛くならへんの?」
という疑問もあると思います。
神経を取った歯でも、根の先に炎症が起きたり、根管内で再感染したりすると、噛んだときの痛みや歯ぐきの腫れなどが出ることがあります。
詳しくは、
「#009 神経取った歯って、もう痛くならへんの?」
をご覧ください。
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被せ物は「根管治療後の歯を長く使うため」の大切な治療です
根管治療が終わると、
「根っこの治療は終わったのに、なんでまだ治療するん?」
と思うかもしれません。
しかし、
根管治療は歯の中の感染を治療するもの
であり、
その後の修復治療は、その歯でもう一度噛めるようにし、残っている歯質を守るためのもの
です。
特に歯質を大きく失っている奥歯では、被せ物などで咬頭を保護することが、その歯を長く使っていくうえで重要になる場合があります。
ただし、
根管治療をした歯=必ず全員同じ被せ物
ではありません。
残っている歯質の量、歯の位置、噛み合わせなどを確認し、
その歯にとって必要な修復方法を選ぶことが大切です。
「根っこの治療終わったのに、なんで被せ物するん?」
と思ったときは、
「根の治療で歯の中を治して、その後の修復で歯を守ってもう一度噛めるようにする」
と考えていただくと分かりやすいと思います。





