#086 口を開けるとアゴが痛い…顎関節症なん?
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【4コマ解説】
口を開けるとアゴが痛い…顎関節症なん?
「口を開けるとアゴが痛い……」
「あくびすると耳の前あたりがズキッとする」
「これって顎関節症なん?」
こうした症状は、顎関節症でみられることがあります。
顎関節症では、
アゴの関節が痛い
アゴを動かす筋肉が痛い
口を開けにくい
アゴが途中で引っかかる
痛みを伴ってカクカク鳴る
といった症状がみられることがあります。
ただし、
「口を開けるとアゴが痛い=必ず顎関節症」
とは限りません。
歯や歯ぐき、耳の周囲など別の原因でも似た症状が出ることがあるため、症状が続く場合には状態を確認することが大切です。
そもそも顎関節症って何?
顎関節症は、一つの病気だけを指す言葉ではありません。
顎関節や、アゴを動かす筋肉などに痛みや機能障害が起こるさまざまな状態をまとめて扱います。
大きく分けると、
顎関節そのものに問題があるタイプ
アゴを動かす筋肉に痛みがあるタイプ
関節円板など関節内部の動きに問題があるタイプ
などがあります。
一人の患者さんに複数の状態が重なっていることもあります。
そのため、
「顎関節症なら全員同じ治療」
というわけではありません。
口を開けると、どこが痛むん?
患者さんによって痛む場所は違います。
たとえば、
耳の前
アゴの関節周辺
頬
こめかみ
アゴの角のあたり
などです。
顎関節は耳のすぐ前にあるため、
「耳が痛いと思って耳鼻科に行ったけど、耳には問題がなかった」
というケースで顎関節や咀嚼筋が関係していることもあります。
ただし、耳そのものの病気でも痛みは出ますので、自己判断はしないようにしましょう。
「アゴが鳴るだけ」と「アゴが痛い」は同じなん?
少し違います。
口を開け閉めすると、
カクッ
コキッ
と音がするだけで、
痛くない
普通に口が開く
食事にも困らない
のであれば、積極的な治療を必要としないことがあります。
一方、
音と一緒に痛みがある
以前より口が開けにくい
アゴが途中で引っかかる
という場合には、一度状態を確認した方がよいでしょう。
アゴの音については、
で詳しく解説しています。
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あくびするとアゴが痛いのも顎関節症?
大きく口を開けると、顎関節や周囲の筋肉には通常より大きな動きが必要になります。
そのため顎関節や筋肉に痛みがある時期には、
あくび
大きなハンバーガーを食べる
大きな口を開けて歯みがきをする
などで痛みが強くなることがあります。
症状がある間は、無理に大きく口を開けないようにしましょう。
あくびをするときには、手でアゴを軽く支えながら開けすぎないようにするのも一つの方法です。
食事するとアゴが痛いのは?
食べ物を噛むときには、顎関節と咀嚼筋を繰り返し動かします。
そのため症状があると、
硬い肉
せんべい
フランスパン
するめ
ガム
など、強く噛んだり長時間噛み続けたりする食品で痛みが出やすくなることがあります。
痛みが強い時期は、無理に硬いものを食べず、比較的やわらかいものを選んでアゴを休ませることがあります。
ただし、長期間ずっと極端に柔らかい食事だけにする必要があるとは限りません。
症状に合わせて調整します。
朝起きたときにアゴが痛い場合は?
朝に症状が強い場合には、睡眠中の歯ぎしり・食いしばりが関係していることがあります。
寝ている間にアゴの筋肉へ長時間力がかかることで、
朝アゴがだるい
頬の筋肉が疲れている
口を開けると筋肉が痛い
といった症状につながる場合があります。
詳しくは、
をご覧ください。
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日中の食いしばりもアゴに負担になるん?
なります。
食いしばりは寝ている間だけではありません。
仕事やパソコン作業、スマートフォンなどに集中しているときに、
無意識に上下の歯をずっと接触させている
ことがあります。
リラックスしているときは、上下の歯をずっと強く噛み合わせておく必要はありません。
日中、
「今、歯を噛みしめてないかな?」
と時々確認してみましょう。
気づいたら、
上下の歯を離す
アゴの力を抜く
肩の力も抜く
ことを意識します。
顎関節症の原因って、結局何なん?
顎関節症は、
「これ一つが原因」
と簡単に決められないことが多いです。
症状によって、
アゴへの外傷
食いしばりなどの習慣
心理社会的な要因
関節や筋肉の状態
など、複数の要素が関係することがあります。
そのため、
「ストレスだけが原因」
「姿勢だけが原因」
「噛み合わせだけが原因」
と決めつけないことが大切です。
噛み合わせが悪いから顎関節症になるん?
これはよく聞かれる質問です。
現在は、
噛み合わせが悪いことだけで顎関節症が起こる
という単純な考え方は支持されていません。
診察では噛み合わせも確認しますが、
顎関節症=噛み合わせの病気
と考えるものではありません。
そのため、顎関節症を治す目的だけで、
健康な歯を削って噛み合わせを永久的に変える
といった治療を安易に行うことには注意が必要です。
顎関節症って自然に治ることもあるん?
あります。
顎関節症の中には、一時的に症状が出たあと、保存的な対応や時間の経過とともに改善するものがあります。
そのため、軽度の症状に対して、いきなり大がかりな治療を行うとは限りません。
まずはアゴへの負担を減らしながら経過をみます。
ただし、
痛みがどんどん強くなる
口が開かなくなってきた
日常生活に支障がある
場合には、放置せず相談してください。
自分でできる対策はあるん?
症状が軽い場合には、まずアゴへの負担を減らすことを考えます。
たとえば、
硬い食べ物を一時的に控える
ガムを長時間噛まない
大きく口を開けすぎない
頬杖などアゴへ負担になる習慣を見直す
日中の食いしばりに気づいたら力を抜く
などです。
症状によっては、アゴ周囲への温熱・冷却や運動療法などを組み合わせることもあります。
ただし、痛みが強いときに自己流で無理にアゴを動かす必要はありません。
冷やすん?温めるん?
どちらが適しているかは症状によって異なります。
急に痛みが出た場合などには冷却が楽に感じることがあり、筋肉のこわばりが中心の場合には温めることで楽になることがあります。
大切なのは、
熱すぎるものを当てない
冷やしすぎない
症状が悪化する方法を無理に続けない
ことです。
強い痛みがある場合は、自己流のケアだけで長期間様子をみず相談してください。
痛み止めを飲んでもええの?
顎関節症による痛みに対して、状態に応じて鎮痛薬を使用することがあります。
ただし、持病や服用している薬によって使用できる薬が異なることがあります。
自己判断で長期間飲み続けるのではなく、必要に応じて医師・歯科医師や薬剤師へ確認してください。
マウスピースをしたら顎関節症は治るん?
マウスピースが使われることはありますが、
マウスピースを入れれば顎関節症が必ず治る
というわけではありません。
特に歯ぎしり・食いしばりによって歯への負担が大きい場合には、歯を保護する目的でナイトガードを使用することがあります。
一方、顎関節症の痛みに対するマウスピースの効果には個人差があります。
使用して、
痛みが増えた
噛み合わせの違和感が強くなった
という場合には、我慢して使い続けず確認してもらいましょう。
マウスピースについては、
でも詳しく解説しています。
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歯ぎしりしてる人は顎関節症になりやすいん?
歯ぎしりや食いしばりによる筋肉への負担が、アゴの症状と関連することはあります。
ただし、
歯ぎしりしている人=必ず顎関節症になる
わけではありません。
睡眠中の歯ぎしりは本人に自覚がないこともあります。
歯ぎしりに気づくサインについては、
をご覧ください。
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顎関節症ならボトックスをした方がええの?
近年、食いしばりや顎関節症に対してボツリヌストキシン注射が話題になることがあります。
ただし、顎関節症に対する有効性については、現時点で十分に確立しているとはいえません。
そのため、
「アゴが痛い=すぐボトックス」
と単純に考えるものではありません。
まず症状や原因を確認し、身体への負担が少なく、元に戻せる方法から検討することが基本です。
歯を削って噛み合わせを調整したら治るん?
顎関節症の治療だけを目的に、
健康な歯を削る
大きく被せ物を作り直す
矯正で噛み合わせを変える
など、噛み合わせを永久的に変える治療を安易に行うことはおすすめできません。
顎関節症では、まず保存的で可逆的な方法から治療を始めることが基本です。
口が開かなくなったらどうしたらいい?
「昨日までは普通に開いていたのに、急に口が開かなくなった」
という場合には、一度状態を確認してください。
無理やり口を開こうとして、
何度もアゴを動かす
自分で強く押す
といったことは避けましょう。
顎関節内部の問題などによって開きにくくなっている可能性があります。
特に食事にも困るほど開かない場合は、早めに相談してください。
逆に口が閉じなくなった場合は?
大きなあくびなどをしたあと、
口を開けたまま閉じられなくなった
場合には、顎関節の脱臼などが考えられます。
これは通常の「ちょっとアゴが痛い」という状態とは異なります。
無理に自分で戻そうとせず、速やかに医療機関へ相談してください。
どんなときは早めに診てもらった方がいい?
たとえば、
口がほとんど開かない・閉じない
強い痛みが続いている
顔やアゴが腫れている
発熱を伴う
転倒や事故などでアゴを強く打った
噛み合わせが急に大きく変わった
といった場合は、一般的な顎関節症だけではない原因も考える必要があります。
早めに医療機関で確認してください。
顎関節症は何科に行けばええの?
まずは、顎関節や口腔外科領域を診る歯科医院で相談できます。
症状や原因によっては、歯科口腔外科など専門的な医療機関をご紹介することがあります。
また、
耳の症状
強い頭痛
神経症状
などが中心の場合には、必要に応じて医科での診察が必要な場合もあります。
レントゲンやMRIを撮ることもあるん?
まずは、
いつから痛いか
どこが痛いか
どのくらい口が開くか
関節音やロックがあるか
などを確認します。
必要に応じて、
レントゲン
CT
MRI
などを使用することがあります。
ただし、
顎関節症が疑われた人全員にMRIが必要
というわけではありません。
症状や診察結果から必要性を判断します。
痛いときは「無理に動かさない・無理に治そうとしない」が大切です
顎関節症では、
「音を消したい」
「アゴの位置を元に戻したい」
という気持ちから、必要以上にアゴを動かしたり、自己流で強くストレッチしたりする方がいます。
しかし、痛みが強い時期には、それがかえって負担になることがあります。
まず、
アゴへの負担を減らす
食いしばりを減らす
痛みの強い動きを避ける
というシンプルな対応から始めます。
「口を開けるとアゴが痛い」は、一度状態を確認するサインです
今回のポイントをまとめます。
顎関節症では、
顎関節やアゴの筋肉が痛い
口が開けにくい
アゴが引っかかる
痛みを伴って関節が鳴る
といった症状がみられることがあります。
ただし、
アゴが痛い=必ず顎関節症
というわけではありません。
そして顎関節症だったとしても、多くの場合、
いきなり歯を削る
噛み合わせを大きく変える
手術する
ところから治療を始めるわけではありません。
まずは、
硬いものを控える
アゴを大きく開けすぎない
食いしばりに気づいたら力を抜く
必要に応じて痛みへの対処を行う
など、保存的で元に戻せる方法から考えます。
「口を開けるとアゴが痛い」
「あくびがつらい」
「食事するとアゴが痛い」
「最近、口が開きにくくなってきた」
という方は、一度ご相談ください。
痛みが関節から来ているのか、筋肉なのか、それ以外の原因なのかを確認したうえで、必要な対応を考えていきましょう。





