#081 歯ぎしりって、自分では気づかへんの?

睡眠中の歯ぎしりは自分では気づかないことが多いのか歯科医師に質問する患者さんの4コマ漫画
歯ぎしりのサインとして朝のあごのだるさ・歯のすり減りやしみ・家族からの指摘を説明する歯科医師
歯ぎしりが続くと歯のすり減りやヒビ・詰め物や被せ物の破損・あごや筋肉への負担につながることを説明する歯科医師
歯ぎしりが気になる場合は噛み合わせを確認し必要に応じてマウスピースなどで対策すると説明する歯科医師

【4コマ解説】

目次

歯ぎしりって、自分では気づかへんの?

「歯ぎしりしてるって言われたけど、全然覚えてへん……」
「自分ではしてないと思うんやけど?」
「寝てるときの歯ぎしりって、自分で分かるもんなん?」

実は、睡眠中の歯ぎしりは自分では気づいていないことがあります。

寝ている間のことなので、

家族から音を指摘された
朝起きるとあごが疲れている
歯がすり減っている
歯が欠けたりヒビが入ったりしている

といったことがきっかけで、初めて気づく場合があります。

そのため、

「自分では歯ぎしりしている自覚がない=歯ぎしりしていない」

とは限りません。

そもそも「歯ぎしり」って何?

一般的に歯ぎしりというと、

ギリギリと歯をこすり合わせる

イメージが強いと思います。

しかし、ブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)には、

歯をこすり合わせる
強く噛みしめる
あごに力を入れる

といった動きも含まれます。

また、

睡眠中に起こるもの
と
起きているときに起こるもの

があります。

「ギリギリという音がしていないから大丈夫」

とは限らず、音をほとんど出さずに強く食いしばっている場合もあります。

寝ている間の歯ぎしりは、どうやって気づくん?

分かりやすいきっかけの一つが、家族や同居している方からの指摘です。

「夜中にギリギリ音がしてるで」

と言われて初めて知る方もいます。

しかし、一人で寝ている方や、音を伴わない食いしばりの場合は、それだけでは分かりません。

そこで参考になるのが、朝起きたときの症状や歯の状態です。

朝起きたとき、あごがだるいのもサイン?

歯ぎしりや食いしばりがある方では、

朝起きるとあごがだるい
頬のあたりが疲れている
あごの筋肉が張っている
口を開けると疲れた感じがする

といった症状がみられることがあります。

寝ている間に長時間あごの筋肉へ負担がかかっている可能性があるためです。

ただし、朝のあごのだるさがあれば必ず歯ぎしりというわけではありません。

症状やお口の状態を合わせて確認します。

歯を見ると歯ぎしりしているか分かるん?

歯科医院では、歯ぎしりが疑われる場合、

歯のすり減り
歯の欠け
ヒビ
詰め物や被せ物の破損
あごの筋肉の状態

などを確認します。

特に、本来あるはずの歯の山が平らになっていたり、複数の歯に特徴的な摩耗がみられたりすると、歯ぎしりや食いしばりを考える手がかりになります。

ただし、

歯がすり減っている=今も睡眠中に必ず歯ぎしりしている

と、それだけで断定できるわけではありません。

過去の歯ぎしりによる摩耗が残っていることもあります。

そのため、歯の状態だけでなく、症状や生活状況なども合わせて判断します。

歯がしみるのも歯ぎしりと関係あるん?

強い歯ぎしりや食いしばりによって歯がすり減ったり、歯に負担がかかったりすると、しみる症状がみられることがあります。

ただし、歯がしみる原因は、

虫歯
知覚過敏
歯ぐきが下がっている
歯のヒビ

などさまざまです。

そのため、

「しみるから歯ぎしりや」

と自己判断するのではなく、原因を確認することが大切です。

歯ぎしりを放っておくとどうなるん?

軽い歯ぎしりですべての方に問題が起こるわけではありません。

一方、強い力が繰り返しかかると、

歯がすり減る
歯が欠ける
歯にヒビが入る
歯がしみる
詰め物や被せ物に負担がかかる
あごの筋肉が疲れる
あごに痛みが出る

などにつながることがあります。

歯ぎしりを放置した場合については、

「#012 歯ぎしりって、放っといたらアカン?」

でも詳しく解説しています。

被せ物やセラミックにも負担がかかるん?

歯ぎしりや食いしばりでは、天然歯だけでなく、

詰め物
被せ物
セラミック

などにも強い力が加わります。

その結果、条件によっては欠けたり割れたりすることがあります。

「セラミックなら絶対に割れない」

というわけではありません。

セラミックの破折や噛み合わせとの関係については、

「#064 セラミックって、ほんまに割れへんの?」

もご覧ください。

被せ物をした歯が噛むと痛い場合も、歯ぎしりが関係する?

強い噛みしめによって歯やその周囲へ負担がかかると、噛んだときの違和感や痛みにつながる場合があります。

ただし、

被せ物をした歯が噛むと痛い

場合には、

噛み合わせ
歯根膜への負担
根の先の炎症
虫歯
歯のヒビ

など、ほかの原因も考える必要があります。

詳しくは、

「#067 被せ物した歯が噛むと痛い…これ大丈夫なん?」

でも解説しています。

歯ぎしりで歯が削れたら、元に戻るん?

残念ながら、歯ぎしりですり減った天然の歯が、自然に元の形へ戻ることはありません。

摩耗が軽度で症状がなければ、経過を見る場合もあります。

一方、

大きくすり減っている
しみる
歯が欠けている
噛み合わせに影響している

などの場合には、状態に応じて治療を検討します。

そのため、まずはこれ以上歯へ大きな負担が加わらないようにすることが重要です。

マウスピースを入れたら歯ぎしりは治るん?

ここはよく誤解されるところです。

歯ぎしり対策として、睡眠中に**マウスピース(ナイトガード)**を使用することがあります。

ただし、

マウスピースを入れれば歯ぎしりそのものが必ず止まる

というものではありません。

主な目的の一つは、上下の歯が直接強く接触することを避けて、歯や詰め物・被せ物へのダメージを軽減することです。

状態に応じて、マウスピースを使用するかどうかを判断します。

市販のマウスピースでもええの?

市販されているマウスピースもありますが、歯科医院で作るものは患者さんの歯型や噛み合わせに合わせて製作します。

合っていないマウスピースを長期間使用すると、

違和感が強い
歯や歯ぐきが痛い
噛み合わせに違和感が出る

ことがあります。

歯ぎしりが気になる場合には、まず現在の歯や噛み合わせの状態を確認してもらうことをおすすめします。

食いしばりと歯ぎしりって同じなん?

一般的な会話では分けて呼ばれることが多いですが、どちらもブラキシズムとして扱われることがあります。

イメージとしては、

歯ぎしり
→ 歯をギリギリとこすり合わせる

食いしばり
→ 歯を強く噛みしめる

という違いです。

そして食いしばりは、睡眠中だけでなく起きている時間にも起こることがあります。

日中も無意識に食いしばってることあるん?

あります。

たとえば、

パソコン作業に集中しているとき
スマートフォンを見ているとき
車を運転しているとき
仕事に集中しているとき

などに、無意識に上下の歯を強く接触させている方がいます。

普段リラックスしているときは、一般的に上下の歯はずっと噛み合っているわけではありません。

日中の食いしばりに気づいたら、

「今、歯を噛みしめていないかな?」

と時々確認することも一つの方法です。

ストレスがあると歯ぎしりするん?

ストレスなどの心理社会的要因は、ブラキシズムと関連する要因の一つとされています。

ただし、

「歯ぎしりの原因は全部ストレス」

というほど単純ではありません。

睡眠中の歯ぎしりには、睡眠の状態や生活習慣、薬剤など複数の要因が関係することがあります。

そのため、

「ストレスをなくせば絶対治る」

と考えるのではなく、お口の状態を確認しながら必要な対策を考えます。

歯ぎしりしてるか、自分でチェックする方法はある?

完全に自己判断することはできませんが、次のようなことは参考になります。

家族から歯ぎしりを指摘された
朝にあごの筋肉が疲れている
歯が以前より平らになってきた
歯が欠けることがある
詰め物や被せ物が何度も壊れる
朝に歯やあごが痛むことがある

こうした症状が複数ある場合には、一度歯科医院で確認してもよいでしょう。

ただし、一つ当てはまっただけで、

「自分は絶対に歯ぎしりをしている」

と判断する必要はありません。

歯科医院では何を見るん?

歯科医院では、

歯の摩耗
ヒビや欠け
詰め物・被せ物の状態
噛み合わせ
あごや周囲の筋肉の症状

などを確認します。

また、

「朝に症状が強いか」
「家族から音を指摘されたことがあるか」
「日中に食いしばっていることはないか」

なども診断の参考になります。

睡眠中の歯ぎしりをより詳しく調べる必要がある場合には、睡眠に関する検査が行われることもあります。

歯ぎしりがある人は、定期検診も大切です

歯ぎしりは、自分では気づきにくいことがあります。

そのため、

痛くなってから初めて気づく

よりも、定期的に歯の状態を確認することが大切です。

歯科医院では、

以前より歯がすり減っていないか
新しいヒビがないか
詰め物・被せ物が壊れていないか

など、時間の経過による変化も確認できます。

「自覚がないから大丈夫」とは限りません

今回の一番大切なポイントです。

睡眠中の歯ぎしりは、本人が寝ている間に起こるため、自分では気づいていないことがあります。

そのため、

朝のあごのだるさ
歯のすり減り
歯の欠けやヒビ
詰め物・被せ物の破損
家族からの指摘

などが発見のきっかけになります。

ただし、こうした症状があるからといって、すべてが歯ぎしりによるものとは限りません。

大切なのは、

歯ぎしりがあるかどうかだけでなく、歯やあごにどの程度負担がかかっているのかを確認することです。

「家族に歯ぎしりしてると言われた」
「朝起きるとあごが疲れている」
「最近、歯がすり減ってきた気がする」
「被せ物がよく欠ける」

という方は、一度ご相談ください。

必要に応じて、歯の状態を確認し、マウスピースなどによって歯を守る方法を検討していきましょう。

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