#059 根っこの治療しても、治らへんことあるん?
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【4コマ解説】
根っこの治療しても、治らへんことあるん?
「根っこの治療を何回もしたのに、まだ痛い」
「根の先の膿がなかなか治らないって言われた」
「ちゃんと治療したのに、なんで治らへんの?」
根管治療は、歯の根の中にある感染した組織や細菌を取り除き、歯をできるだけ残すために行う治療です。
しかし残念ながら、根管治療を行えばすべての歯が必ず治るというわけではありません。
歯の根の中は非常に細く複雑で、通常の治療では器具や洗浄液が届きにくい場所もあります。
また、症状が続いている原因が根管内の細菌ではなく、歯のヒビや破折など別の問題という場合もあります。
大切なのは、
「根管治療しても治らない=すぐ抜歯」
と決めつけるのではなく、
なぜ治っていないのかを調べること
です。
そもそも根管治療では何をしてるの?
根管治療では、
感染した組織や汚れを取り除く
↓
根管内を清掃・洗浄・消毒する
↓
状態を確認する
↓
根管内を材料で封鎖する
という治療を行います。
基本的な治療内容については、
「#051 根っこの治療って、いったい何してるん?」
でも詳しく解説しています。
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この治療によって多くの歯は改善しますが、根管の形や感染の状態によっては、治療後も炎症が残ることがあります。
歯の根の中は、想像以上に複雑です
歯の根の中にある「根管」は、単純な一本の管とは限りません。
実際には、
- 非常に細い根管
- 大きく曲がった根管
- 複数に枝分かれした根管
- 通常の器具が入りにくい根管
- 見つけにくい位置にある根管
などがあります。
さらに、根管の途中から非常に細い枝が分かれていることもあります。
このような複雑な部分に細菌が残っていると、根管治療を行っても根の先の炎症が改善しにくい場合があります。
一度治療した歯なら「再根管治療」を検討することがあります
以前に根管治療をした歯で、
「また痛くなった」
「根の先に炎症がある」
「歯ぐきが腫れる」
という場合には、原因を確認したうえで再根管治療を検討することがあります。
再根管治療では、以前に根管内へ入れられた材料を除去し、根の中をもう一度確認します。
そして、
見つかっていなかった根管がないか
細菌が残っている部分がないか
根管内に新たな感染が起きていないか
などを確認しながら、再び清掃・洗浄・消毒を行います。
一度治療した根っこが再び悪くなる理由については、
「#057 一回治した根っこ、また悪くなることあるん?」
でも詳しく解説しています。
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被せ物や虫歯から再感染していることもあります
根管治療そのものに問題がなくても、治療後に新しい感染が起こることがあります。
たとえば、
被せ物に隙間ができた
被せ物が外れた
新しく虫歯になった
歯が欠けた
などです。
そこから唾液や細菌が歯の内部へ入り込むと、以前きれいにした根管が再び感染することがあります。
そのため、根管治療では根の中の治療だけでなく、その後の被せ物などで歯をきちんと封鎖することも重要です。
歯にヒビが入っていると、根管治療では治らないことがあります
根管治療をしても症状が改善しない場合に、特に注意が必要なのが歯のヒビや歯根破折です。
歯そのものに割れ目があると、その部分から細菌が侵入します。
この場合、根管の中を何度きれいにしても、割れた部分が感染経路として残ってしまうため、根管治療だけでは改善しないことがあります。
特に歯根まで大きく割れている場合には、残念ながら歯を保存することが難しく、抜歯を検討する場合があります。
だからこそ、
「治らないから、とりあえずもう一度根管治療」
ではなく、
本当に原因が根管内にあるのかを診断すること
が重要です。
レントゲンやCTなどで原因を確認することがあります
根管治療後も症状が続く場合には、お口の中の診察だけでは原因が分からないことがあります。
そのため、必要に応じて、
- レントゲン撮影
- CT撮影
- 歯周ポケットの検査
- 歯の揺れの確認
- 噛み合わせの確認
- 被せ物や虫歯の確認
などを行います。
CTでは、通常のレントゲンでは分かりにくい根の形や根の周囲の状態を、立体的に確認できる場合があります。
重要なのは、
「治っていない」という結果だけを見るのではなく、「なぜ治っていないのか」を探すこと
です。
再根管治療でも治らない場合はどうするの?
再根管治療を行っても症状や根の先の炎症が改善しない場合があります。
また、
根管が非常に細くて器具が届かない
根管が大きく曲がっている
石灰化して根管内へ到達できない
大きな土台などがあり、上からの再治療が難しい
といった場合もあります。
そのような場合には、状態によって外科的な歯内療法を検討することがあります。
代表的な方法が、
歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)
です。
歯根端切除術って何?
歯根端切除術は、通常の根管治療では治りにくい根の先の病変に対して行う外科的な治療方法です。
歯ぐきを開いて根の先へ直接アプローチし、
炎症や感染した組織
と
歯根の先端部分
を取り除きます。
そして必要に応じて、根の先側から根管を封鎖します。
つまり、
歯の上から根管を治療しても届きにくい部分へ、根の先側からアプローチする方法
です。
すべての歯に行える治療ではありませんが、条件が合えば、抜歯の前に歯を残すための選択肢となることがあります。
根管治療で治らなかったら、すぐ抜歯になるわけではありません
根管治療をしても症状が改善しないと、
「もうこの歯は抜くしかないんかな……」
と心配になると思います。
しかし、
通常の根管治療
↓
再根管治療
↓
必要に応じた歯根端切除術などの外科的治療
というように、原因や歯の状態によって検討できる方法があります。
根管治療後に病変が残っていても、それだけで抜歯が必須になるわけではありません。
まず原因を調べて、歯を残せる可能性があるのかを判断することが大切です。
逆に「残すことが難しい歯」もあります
もちろん、すべての歯を必ず残せるわけではありません。
たとえば、
歯根が縦に大きく割れている
歯を支える骨が大きく失われている
虫歯が歯根の深い部分まで進んでいる
残っている歯質が非常に少ない
何度治療しても感染をコントロールできない
などの場合には、歯を残すことが難しいことがあります。
大切なのは、
「何がなんでも残す」ことではなく、その歯を残すことが長期的に患者さんにとって良いのかを判断すること
です。
「抜くしかない」と言われた歯でも、まず状態を確認することが大切です
根管治療で治らない歯について、
「もう抜歯しかありません」
と言われる場合もあります。
実際に抜歯が適切なケースもあります。
一方で、歯の状態によっては、再根管治療や外科的な治療などを検討できることもあります。
「抜歯と言われたけど、ほんまに残せる方法はないんかな?」
という疑問については、
「#060 『抜くしかない』って言われた歯、ほんまに残せへんの?」
でも詳しく解説しています。
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「絶対に抜きたくない」という希望だけで無理に歯を残すのではなく、残せる可能性・予後・治療のメリットとデメリットを確認したうえで判断することが大切です。
「治らない=失敗」と単純には言えません
根管治療後に炎症が残っていると、
「前の根管治療が失敗やったん?」
と思うかもしれません。
しかし、歯の根の中は非常に複雑です。
治療時には確認できなかった細い根管や複雑な枝分かれ、治療後の新しい虫歯や被せ物からの細菌侵入、歯の破折など、さまざまな原因があります。
そのため、
症状が残った=必ず前回の治療に問題があった
とは限りません。
重要なのは、現在の状態を改めて診断し、
どこに原因があるのか
再治療できるのか
外科的治療が必要なのか
歯を残すことが難しいのか
を判断することです。
根管治療で治らなくても、まず原因を調べましょう
根管治療をしたのに、
「噛むとずっと痛い」
「何度も歯ぐきが腫れる」
「膿が出る」
「レントゲンで根の先の影が消えない」
という場合には、そのまま放置せず歯科医院へ相談してください。
根管治療で症状が改善しなくても、
再根管治療
歯根端切除術などの外科的治療
その他の保存治療
によって歯を残せる可能性があります。
一方で、歯の破折などによって保存が難しい場合もあります。
だからこそ、
「治らへんから抜く」ではなく、「なぜ治っていないのかを診断してから次の治療を決める」
ことが大切です。
根管治療をしても治らないからといって、すぐに諦める必要はありません。
まず現在の状態を確認し、その歯を残すためにどのような選択肢があるのかを一緒に考えていきましょう。





