#082 朝起きたらアゴがだるい…これ食いしばり?

朝起きたときにアゴがだるいのは睡眠中の食いしばりが原因なのか歯科医師に質問する患者さんの4コマ漫画
食いしばりのサインとして朝のアゴのだるさ・歯のすり減りやしみ・頭痛・頬や舌の跡を説明する歯科医師
睡眠中の食いしばりにはストレス・睡眠状態・日中の食いしばりなど複数の要因が関係すると説明する歯科医師
朝のアゴのだるさや食いしばりが気になる場合のマウスピース・日中の意識・睡眠やストレス対策を説明する歯科医師

【4コマ解説】

目次

朝起きたらアゴがだるい…これ食いしばり?

「朝起きたら、なんかアゴがだるい……」
「寝てただけやのに、なんでアゴが疲れてるん?」
「これって寝てる間に食いしばってるんかな?」

朝起きたときのアゴのだるさや疲労感。

その原因の一つとして、睡眠中の歯ぎしり・食いしばりが考えられます。

寝ている間に強く歯を噛みしめたり、歯をこすり合わせたりしていると、アゴを動かす筋肉に負担がかかり、

朝になるとアゴがだるい
頬のあたりが疲れている
こめかみ付近が重い

と感じることがあります。

ただし、

「朝アゴがだるい=必ず食いしばり」

と決めつけることはできません。

症状が出る時間帯や歯の状態、アゴの筋肉、噛み合わせなども確認しながら原因を考えます。

寝てるだけやのに、なんでアゴが疲れるん?

食いしばるときには、アゴを動かす筋肉が強く働きます。

日中なら、

「今めっちゃ噛みしめてるな」

と気づいて力を抜けることがあります。

しかし、睡眠中は本人に自覚がないまま力が入っていることがあります。

そのため朝になって、

「寝たはずやのにアゴだけ疲れてる」

という状態になることがあります。

睡眠中の歯ぎしりは本人が気づいていないことも多いため、

朝のアゴの状態

が一つの手がかりになるのです。

自覚しにくい歯ぎしりについては、

「#081 歯ぎしりって、自分では気づかへんの?」

でも詳しく解説しています。

朝のアゴのだるさ以外にもサインはあるん?

歯ぎしり・食いしばりが疑われる方では、ほかにもさまざまなサインがみられることがあります。

たとえば、

歯がすり減っている
歯の先端が平らになってきた
歯が欠ける
歯にヒビが入る
歯がしみる
詰め物や被せ物が壊れる
朝に頭やこめかみ周辺が重い
家族から寝ているときの歯ぎしりを指摘された

などです。

ただし、一つ当てはまるだけで食いしばりと断定するわけではありません。

複数の情報を合わせて確認します。

頬の内側や舌に歯の跡があるのも食いしばり?

鏡を見ると、

「頬の内側に白い線がある」
「舌の横がギザギザしてる」

という方もいます。

歯に頬や舌が押し付けられることで、このような跡がみられることがあります。

ただし、頬や舌の跡だけで食いしばりを診断することはできません。

お口の形や舌の大きさなどでもみられることがあるため、

アゴの症状
歯の摩耗
歯の破折
睡眠中の様子

などと合わせて判断します。

朝の頭痛も食いしばりが原因なん?

歯ぎしりや食いしばりがある方では、頭痛がみられることがあります。

特に、アゴを動かす筋肉の一部はこめかみ付近にも広がっているため、

朝起きるとこめかみ周辺が重い
頭の横が疲れた感じがする

と感じることがあります。

ただし、頭痛には非常に多くの原因があります。

そのため、

「朝の頭痛=歯ぎしり」

と自己判断することはおすすめしません。

頭痛が強い、頻繁に続く、いつもと違う症状がある場合などは、歯科だけでなく必要に応じて医科での評価も検討します。

歯がしみるのも食いしばりのせい?

強い歯ぎしりや食いしばりによって歯がすり減ったり、歯に負担がかかったりすると、知覚過敏のようなしみる症状が出ることがあります。

しかし、歯がしみる原因には、

虫歯
知覚過敏
歯ぐきが下がっている
歯のヒビ

などもあります。

つまり、

「朝アゴがだるい+歯がしみる=絶対に食いしばり」

とは限りません。

歯そのものに問題がないかも確認することが大切です。

日中の食いしばりもあるん?

あります。

食いしばりは睡眠中だけに起こるものではありません。

起きているときにも無意識に、

パソコン作業に集中している
スマートフォンを見ている
車を運転している
細かい作業をしている
仕事に集中している

といった場面で歯を強く噛みしめていることがあります。

これを自覚していない方も少なくありません。

普段、上下の歯ってくっついてるのが普通なん?

リラックスしているときは、上下の歯をずっと強く接触させておく必要はありません。

会話や食事、飲み込みなどのとき以外は、上下の歯が少し離れてアゴの筋肉がリラックスしている状態が一般的です。

そのため、日中、

「今、上下の歯がずっとくっついてないかな?」

と確認することは、食いしばりに気づくきっかけになります。

もし噛みしめていることに気づいたら、

歯を離してアゴの力を抜く

ことを意識してみましょう。

「歯を離すように意識する」だけでも意味あるん?

日中の食いしばりについては、まず自分が噛みしめていることに気づくことが重要です。

たとえば、

パソコンに付箋を貼る
スマートフォンに定期的な通知を出す
仕事中に時々アゴの力を確認する

など、自分で気づくきっかけを作る方法があります。

「歯を離す」
「肩とアゴの力を抜く」

という行動を習慣にしていきます。

ただし、これは主に起きている時間の食いしばりへの対策です。

寝ている間の歯ぎしりを、意識だけで止めることはできません。

食いしばりの原因はストレスなん?

ストレスは、歯ぎしり・食いしばりと関連する要因の一つです。

しかし、

「食いしばりの原因は全部ストレス」

というほど単純ではありません。

睡眠時の歯ぎしりには、

睡眠の状態
ストレスなどの心理社会的要因
カフェインやアルコール
喫煙
一部の薬剤
遺伝的要因

など、複数の要素が関連すると考えられています。

そのため、

「ストレスがなくなれば絶対治る」

とは限りません。

お口の状態だけでなく、生活習慣なども含めて考えていきます。

噛み合わせが悪いから食いしばるん?

食いしばりや歯ぎしりを、

「噛み合わせが悪いから起こる」

と単純に説明することはできません。

ブラキシズムは複数の要因が関係する現象と考えられています。

そのため、歯ぎしりを止めることだけを目的として、

むやみに歯を削って噛み合わせを変える

という考え方には注意が必要です。

まずは、現在どのような症状があり、歯やアゴにどの程度負担がかかっているのかを確認することが大切です。

マウスピースをしたら食いしばりは治るん?

歯ぎしり・食いしばりが強く、歯への負担が心配される場合には、睡眠中に**マウスピース(ナイトガード)**を使用することがあります。

ただし、

マウスピースを入れれば、食いしばりそのものが必ずなくなる

というわけではありません。

マウスピースの重要な役割の一つは、

上下の歯が直接強く接触することを避け、歯や詰め物・被せ物へのダメージを軽減すること

です。

つまり、

食いしばりを止める装置

というより、

食いしばりによる歯への負担を減らすための装置

として使用することがあります。

朝アゴがだるかったら、すぐマウスピースを作るん?

必ずしもそうではありません。

まず、

どんな症状があるのか
いつ症状が出るのか
歯がすり減っているか
歯や被せ物に破損がないか
アゴの筋肉に痛みがあるか

などを確認します。

そのうえで、歯を保護する必要性が高いと判断した場合に、マウスピースを検討します。

単に、

「朝アゴがだるいから、とりあえず全員マウスピース」

というわけではありません。

市販のマウスピースでもええの?

市販のマウスピースもありますが、歯科医院で製作するナイトガードは、患者さんの歯型や噛み合わせに合わせて作ります。

合っていないマウスピースを長期間使用すると、

歯が痛い
歯ぐきが痛い
装着できない
噛み合わせに違和感が出る

ことがあります。

歯ぎしり・食いしばりが気になる場合には、まず歯科医院で歯やアゴの状態を確認することをおすすめします。

食いしばりを放っておいたらどうなるん?

歯ぎしりや食いしばりがあっても、必ず大きな問題が起こるわけではありません。

しかし強い力が繰り返し加わると、

歯がすり減る
歯が欠ける
歯にヒビが入る
詰め物や被せ物が破損する
歯がしみる
アゴの筋肉が疲れる
アゴが痛む

などにつながることがあります。

歯ぎしりを放置した場合については、

「#012 歯ぎしりって、放っといたらアカン?」

でも詳しく解説しています。

セラミックや被せ物にも影響するん?

天然歯だけではありません。

歯ぎしり・食いしばりによる強い力は、

詰め物
被せ物
セラミック

にも加わります。

条件によっては、欠けたり割れたりすることがあります。

特に、

「セラミックにしたからもう絶対に割れへん」

というわけではありません。

セラミックと噛む力については、

「#064 セラミックって、ほんまに割れへんの?」

も参考にしてください。

食いしばりが原因でアゴの病気になるん?

歯ぎしり・食いしばりは、アゴの筋肉や顎関節への負担と関連することがあります。

ただし、

アゴがだるい=顎関節症
食いしばり=必ず顎関節症になる

というわけではありません。

顎関節症にはさまざまな症状や要因があります。

たとえば、

口を開けると痛い
口が大きく開かない
アゴの関節周辺が痛い
症状が長く続いている

といった場合には、状態を確認することをおすすめします。

いびきや睡眠の問題もある場合は?

睡眠中の歯ぎしりが疑われる方の中には、

大きないびき
睡眠中に呼吸が止まると指摘された
日中に強い眠気がある
眠っているのに疲れが取れない

といった睡眠の問題を伴っている方もいます。

こうした症状がある場合は、歯ぎしりだけの問題として考えるのではなく、必要に応じて睡眠医療を扱う医療機関での評価を検討することがあります。

こんな症状があったら一度相談してください

たとえば、

朝起きると毎日のようにアゴがだるい
アゴの痛みが続いている
歯が急にすり減ってきた
歯が何度も欠ける
詰め物や被せ物が繰り返し壊れる
家族から歯ぎしりを指摘された
口が開けにくい

といった場合には、一度歯科医院で確認してもよいでしょう。

歯ぎしり・食いしばりがあるのか、それ以外の原因があるのかを確認します。

朝のアゴのだるさは「食いしばりに気づくきっかけ」の一つです

今回のポイントをまとめます。

朝起きたときにアゴがだるい場合、

睡眠中の歯ぎしり・食いしばり

が関係していることがあります。

特に、

朝にアゴが疲れている
歯がすり減っている
歯がしみる
歯や被せ物が欠ける
家族から歯ぎしりを指摘される

といったことが重なる場合には、食いしばりを疑う手がかりになります。

ただし、

朝アゴがだるいだけで、食いしばりと断定することはできません。

大切なのは、

どんな症状が、いつ起こっているのか
そして
歯やアゴにどの程度負担がかかっているのか

を確認することです。

「朝起きると毎日アゴが疲れている」
「寝ているときに歯ぎしりしてると言われた」
「最近、歯がすり減ってきた気がする」

という方は、一度ご相談ください。

必要に応じて、日中の食いしばりへの対策や、歯を守るためのマウスピースなどを検討していきましょう。

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