新着! 見えない入れ歯『ノンクラスプデンチャー』

「奥歯が1本なくても、前歯で噛めるから大丈夫かな…」
「でも、やっぱりこのまま放っておくのは不安で…」
先日、当院にご相談に来られたのは、左上の奥歯(大臼歯)を不幸にも失ってしまった患者様でした。抜歯を余儀なくされ、お口の中にぽっかりと穴が空いてしまったことに、とても落胆されているご様子でした。
歯を失うというのは、誰にとってもショックな出来事です。特に「見えにくい奥歯」だと、「このまま放置してもいいのでは?」と迷われる方も少なくありません。
しかし、歯科医師としてまずお伝えしたいのは、「たった1本でも、失った歯を補うこと(欠損補綴)は、お口全体の健康を守るために極めて重要である」ということです。
今回は、この患者様がどのようにしてご自身の治療法を選び、笑顔を取り戻されたのか、実際の物語を通してお話ししたいと思います。
なぜ放置はNG?歯を補う(欠損補綴)の重要性
「1本くらい奥歯がなくても、反対側で噛めばいい」と考えて放置してしまうと、お口の中では少しずつ、しかし確実に恐ろしい変化が進んでいきます。

- 隣の歯が倒れてくる(傾斜)倒れ込んだ隙間に汚れが溜まりやすくなり、健康だった隣の歯まで虫歯や歯周病のリスクが高まります。
- 噛み合っていた反対側の歯が伸びてくる(挺出)上の歯がないと、噛み合っていた下の歯が「噛む相手」を求めて上へと伸び出てきてしまいます。
- 噛み合わせが崩れ、他の歯や顎に負担がかかる残った歯だけで噛もうとするため、特定の歯に過度な力がかかり、結果として他の歯の寿命まで縮めてしまうのです。
つまり、失った歯を補う「欠損補綴(けっそんほてつ)」は、単に噛む機能を復活させるだけでなく、「今ある残りの大切な歯を守るための予防策」でもあるのです。
奥歯を補う「3つの選択肢」とは?
当院では、歯を失った患者様に対して丁寧なカウンセリングを行い、主に「ブリッジ」「インプラント」「入れ歯(義歯)」という3つの選択肢をご提案しています。それぞれにメリット・デメリットがあり、どれが正解かはお一人おひとりのご希望や状況によって異なります。
| 治療法 | 特徴・メリット | 考慮すべき点 |
| ブリッジ | 固定式で違和感が少なく、自分の歯に近い感覚で噛める。 | 両隣の健康な歯を削る必要がある。 |
| インプラント | 他の歯を一切削らず、本物の歯のような強い噛み心地と見た目を再現。自由診療。 | 外科手術が必要。骨の状態や全身疾患によっては適応外となる場合がある。 |
| 入れ歯 | 歯を削る量が少なく、手術も不要。取り外してお手入れができる。 | 保険の入れ歯は金属のバネが見えたり、厚みによる違和感が出やすい。 |
今回ご相談いただいた患者様にも、この3つの特徴をじっくりとお伝えしました。
- 「隣の健康な歯は、できれば削りたくない…」(ブリッジへの不安)
- 「手術をするのは少し怖いのと、期間や費用面でも慎重になりたい…」(インプラントへの不安)
このように悩まれていた患者様が最終的に選ばれたのが、「入れ歯」という選択でした。しかし、一般的な保険の入れ歯には、もう一つ大きなハードルがありました。
患者様が決断された「ノンクラスプデンチャー」という選択
保険診療で作る一般的な部分入れ歯には、入れ歯を固定するための「金属のバネ(クラスプ)」がついています。
左上の奥歯の場合、口を大きく開けたり笑ったりした際に、その金属のバネがチラリと見えてしまうことがあります。また、バネを引っかける隣の歯に負担がかかることや、金属特有の装着感を気にされる方も多くいらっしゃいます。
そこで当院からご提案したのが、自由診療(自費診療)で作ることができる「ノンクラスプデンチャー」でした。
ノンクラスプデンチャーとは?
金属のバネを一切使用せず、歯ぐきに近いピンク色や透明の特殊な樹脂(弾性樹脂)で固定する入れ歯です。
【ノンクラスプデンチャーの主な魅力】
- 見た目が自然で気づかれにくい金属のバネがないため、お口を開けたときに「入れ歯を入れている」ことがほとんど分かりません。
- 薄くて軽いため、装着感が快適樹脂自体にしなやかさがあり、非常に薄く作ることができるため、お口の中での異物感が大幅に軽減されます。
- 残っている歯にやさしい金属バネのように特定の歯に無理な負担をかけにくく、隣の歯を守ることができます。
患者様は「これなら見栄えも気にならないし、自分の歯も削らずに済む!」と、とても納得された表情でノンクラスプデンチャーでの制作を決断されました。
実際の装着状態

左の奥歯が無くなっている状態です。
奥歯は前歯より大切で、この歯が1本無くなるだけで、全体の歯並びがぐちゃぐちゃになってしまいます。
なので、何かしらの方法で必ず補わなければなりません。
今回の患者様は、目立たない入れ歯を選択されました。

こちらが目立たない『ノンクラスプデンチャー』
ごらんのとおり、金属の金具がありません。
透明なので、他人に見破られることは無いでしょう。

左 欠損状態
右 入れ歯装着状態

ブリッジで歯を削るのはイヤ
目立つ入れ歯はイヤ
インプラントは高くてムリ
そんな方にはノンクラスプデンチャーをお勧めいたします。
治療を終えて:笑顔と噛む喜びを取り戻された患者様
型取りを行い、細かな噛み合わせの調整を経て、完成したノンクラスプデンチャーを装着された日。
鏡をご覧になった患者様は、「どこに入れ歯があるのか、全然分からないですね!」と大変驚かれ、パッと華やかな笑顔を見せてくださいました。
歯を失ったときの最適な解決策は、一人ひとり違います。インプラントが最善の治療になる方もいれば、今回のようにノンクラスプデンチャーがその方にとってベストなライフスタイルにフィットすることもあります。
お悩みの方はぜひご相談ください
今回ご紹介したように、歯を1本失ってしまった場合でも、「歯を削りたくない」「手術は避けたい」「でも見た目は妥協したくない」という想いを叶える選択肢はしっかりと存在します。
放置してしまうことが、お口の健康にとって一番の禁物です。
「奥歯を抜いたままになっている」
「今の入れ歯の見た目や装着感が気になっている」
そんなお悩みがございましたら、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたのお気持ちやライフスタイルに寄り添った、ベストな治療法を一緒に見つけていきましょう。
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