#087 口が開きにくい!これ放っといてええの?
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【4コマ解説】
口が開きにくい!これ放っといてええの?
「最近、大きく口を開けにくい……」
「前はもっと開いてた気がする」
「アゴも少し痛いけど、そのうち治るんかな?」
このような「口が開きにくい状態」を、歯科では開口障害と呼ぶことがあります。
顎関節症でみられる代表的な症状の一つですが、口が開きにくくなる原因は顎関節症だけではありません。
アゴを動かす筋肉の痛みや緊張、顎関節内部の問題だけでなく、歯や歯ぐきの炎症・感染などでも口を開けにくくなることがあります。
そのため、
「食いしばりやろ」
「顎関節症やろ」
と自己判断して長期間放置するのではなく、症状が続く場合には原因を確認することが大切です。
そもそも、なんで口が開くん?
口を開けるときには、下アゴが単純に上下へ動いているわけではありません。
耳の前にある顎関節が動き、アゴを動かす筋肉が協力することで、下アゴが回転しながら前方へ移動して大きく口を開けています。
そのため、
顎関節
関節円板
咀嚼筋
周囲の組織
などのどこかに問題があると、口を開けにくくなることがあります。
顎関節症で口が開きにくくなることはあるん?
あります。
顎関節症では、
口を開けると痛い、アゴがこわばる、以前より口が開かない、途中で引っかかる、アゴがロックする、といった症状がみられることがあります。
特に、
「以前は普通に開いていたのに、最近明らかに開かなくなった」
という変化は一つの重要なポイントです。
顎関節症について詳しくは、
もご覧ください。
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アゴがカクカク鳴るのも関係ある?
口を開け閉めしたときの「カクッ」「コキッ」といった関節音だけで、痛みも開口制限もなければ、必ずしも治療が必要とは限りません。
一方、
以前はカクカク鳴っていたのに、急に音がしなくなって口も開きにくくなった
という場合には、顎関節内部の関節円板の動きなどが関係している可能性があります。
「音がなくなった=治った」とは限らないケースもあります。
アゴの関節音については、
で詳しく解説しています。
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食いしばりでも口が開きにくくなるん?
日中や睡眠中に強く食いしばっていると、アゴを動かす筋肉へ負担がかかることがあります。
すると、
アゴがだるい
頬の筋肉が疲れる
筋肉を押すと痛い
口を開けると筋肉が痛む
といった症状につながる場合があります。
特に朝にアゴのだるさやこわばりを感じる場合は、睡眠中の歯ぎしり・食いしばりも確認します。
詳しくは、
をご覧ください。
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日中も上下の歯をずっとくっつけてへん?
仕事やパソコン作業、スマートフォン、運転などに集中しているときに、無意識に上下の歯を接触させている方がいます。
リラックスしているときは、上下の歯をずっと強く噛み合わせておく必要はありません。
日中、
「今、噛みしめてへんかな?」
と時々確認し、噛みしめていたら上下の歯を離してアゴの力を抜いてみましょう。
ただし、これだけですべての開口障害が治るわけではありません。
原因に応じた対応が必要です。
指が3本入ったら正常なん?
「口に指が縦に3本入れば大丈夫」
という話を聞いたことがあるかもしれません。
自分で口の開き具合を確認する簡単な目安として使われることはありますが、診断基準そのものではありません。
指の太さには個人差がありますし、もともとの開口量にも個人差があります。
それより重要なのは、
以前と比べて明らかに開かなくなったか
痛みがあるか
食事や歯みがきに困っているか
途中で引っかかるか
といった変化です。
朝だけ口が開きにくいのは何で?
朝起きた直後だけ、
「アゴが固まってる感じがする」
「何回か動かしたら開くようになる」
という方もいます。
睡眠中の歯ぎしり・食いしばりによって筋肉へ負担がかかっている場合などが考えられます。
ただし、毎朝繰り返す、痛みが強くなっている、開口量が少なくなっている場合には、一度状態を確認しましょう。
無理やり口を開けたら治るん?
痛いのに無理やり大きく開けるのはおすすめしません。
「固まってるなら伸ばした方がええやろ」
と思って強く開けると、顎関節や筋肉へさらに負担をかける場合があります。
症状によっては運動療法を行うこともありますが、どのような運動が適しているかは状態によって異なります。
特に急に開かなくなった場合や強い痛みがある場合は、自己流で無理に動かさず、一度診察を受けてください。
口が開きにくいときは硬いものを避けた方がええ?
症状が強い時期には、アゴへ大きな負担がかかるものを一時的に控えることがあります。
たとえば、硬いせんべい、するめ、硬い肉、フランスパン、長時間のガムなどです。
また、大きなハンバーガーなどを無理に大きく口を開けて食べることも避けた方がよい場合があります。
症状が落ち着くまでは、比較的食べやすいものを選び、アゴへの負担を減らします。
頬杖もアゴに悪いん?
頬杖など、アゴへ長時間力を加える習慣についても確認することがあります。
ただし、
「頬杖が顎関節症の原因」
「姿勢が悪いから顎関節症になる」
と一つの原因に決めつけることはできません。
顎関節症はさまざまな要因が関係することがあり、原因がはっきり一つに決められないケースも少なくありません。
口が開きにくい原因は顎関節症だけちゃうの?
ここは非常に重要です。
口が開きにくい=全部顎関節症ではありません。
歯科では、歯や歯ぐきの炎症・感染によっても開口障害が起こることがあります。
特に奥歯や親知らず周囲に強い炎症があると、
奥歯が痛い
歯ぐきが腫れている
顔やアゴが腫れている
口を開けると痛い
口が十分に開かない
といった症状がみられることがあります。
この場合、顎関節だけを治療しても原因は改善しません。
親知らずが原因で口が開かなくなることもあるん?
あります。
特に下の親知らずの周囲に炎症が起きると、周囲の組織や筋肉に炎症が広がって、口を開けにくくなることがあります。
「最近、親知らずのあたりも痛い」
「奥の歯ぐきが腫れてる」
「口が開けにくくなってきた」
という場合には、親知らず周囲の状態も確認します。
腫れや熱もある場合は?
顔やアゴの腫れ、発熱などを伴う開口障害は、単なる食いしばりとして様子を見るのではなく、早めに歯科医院へ相談してください。
歯や歯ぐきからの感染が原因の場合、自然に治るのを待つだけでは十分でないことがあります。
特に注意したい症状は、顔やアゴが大きく腫れている、発熱している、飲み込みにくい、息苦しい、急激に症状が悪化している場合です。
このような場合は早めの医療評価が必要です。
急に口が開かなくなった場合は?
昨日までは普通だったのに、
「今日になって急にほとんど開かない」
という場合には、無理やり開けようとせず、歯科医院・歯科口腔外科などへ相談してください。
顎関節内部の問題、筋肉の強い症状、感染など複数の原因が考えられます。
「何回か無理に動かせば治るやろ」
と繰り返し強く動かすことは避けましょう。
逆に、口が開いたまま閉じなくなったら?
大きなあくびなどのあとに、
口を開けたまま閉じられなくなった
場合には、顎関節の脱臼などが考えられます。
これは通常の「少し口が開きにくい」という状態とは異なります。
ご自身で無理に押して戻そうとせず、速やかに医療機関へ相談してください。
顎関節症ならマウスピースを作ればええの?
マウスピースを使用することはありますが、
口が開きにくい人全員にマウスピースを作る
わけではありません。
まず、なぜ口が開きにくいのかを確認します。
また、マウスピースを使用すれば、
顎関節症が必ず治る
開口量が必ず元通りになる
というものでもありません。
歯ぎしりや食いしばりによって歯への負担が大きい場合には、歯を保護する目的などで使用することがあります。
マウスピースについては、
をご覧ください。
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歯を削って噛み合わせを調整したら口が開くようになる?
顎関節症の治療だけを目的として、健康な歯を削って噛み合わせを永久的に変える治療を安易に行うことはおすすめできません。
現在は、
「噛み合わせが悪いから顎関節症になる」
という単純な因果関係は支持されていません。
まずは原因を確認し、必要であれば身体への負担が少なく、元に戻せる保存的な対応から考えます。
顎関節症は自然に良くなることもあるん?
あります。
顎関節症の中には、一時的に症状が出ても、アゴへの負担を減らすことなどによって改善するケースがあります。
そのため、
「顎関節症になったら必ずどんどん悪化する」
というわけではありません。
ただし、
開けにくさが続いている
以前より悪くなっている
痛みも強くなっている
食事や会話に困っている
という場合には、我慢し続けず確認しましょう。
何科に行ったらええの?
まずは、顎関節や口腔外科領域を診る歯科医院で相談できます。
状態によっては歯科口腔外科など専門的な医療機関へ紹介することがあります。
また、歯科以外の病気が疑われる場合には、必要に応じて医科の診察をお願いすることもあります。
レントゲンやMRIを撮らなあかんの?
すべての方に必要なわけではありません。
まず、
いつから開きにくいのか
痛みがあるのか
どのくらい開くのか
途中で引っかかるのか
腫れや歯の痛みがないか
などを確認します。
必要に応じてレントゲン、CT、MRIなどの画像検査を検討します。
どの検査が必要かは、疑われる原因によって異なります。
口が開きにくいときは「原因を一つに決めつけない」ことが大切です
今回のポイントをまとめます。
口が開きにくくなる原因には、
顎関節の問題、アゴを動かす筋肉の痛みや緊張、歯ぎしり・食いしばり、歯や歯ぐきの感染など、さまざまなものがあります。
そのため、
「食いしばりやから放っとけばええ」
「全部顎関節症や」
と自己判断するのではなく、症状の経過を見ることが大切です。
特に、
以前より明らかに口が開かない
痛みが続いている
急に開かなくなった
食事に困っている
顔やアゴが腫れている
発熱や飲み込みにくさがある
といった場合には、早めに相談してください。
一方、顎関節症だったとしても、すべての症状が悪化していくわけではありません。
必要な場合には、
アゴへの負担を減らす
日中の食いしばりに気づく
硬いものを一時的に控える
症状に合った保存的な治療を行う
といった方法から対応します。
「最近、口が開きにくくなってきた」
「あくびすると痛い」
「アゴが引っかかる」
「親知らずのあたりも腫れている」
という方は、一度ご相談ください。
顎関節の問題なのか、筋肉なのか、歯や歯ぐきの炎症なのかを確認したうえで、適切な対応を考えていきましょう。





