#064 セラミックって、ほんまに割れへんの?

セラミックの被せ物は本当に割れないのか歯科医師に質問する患者さんの4コマ漫画
セラミックは強い材料でも条件によって欠けたり割れたりすることがあると説明する歯科医師
強い噛む力・歯ぎしり・食いしばり・衝撃がセラミック破折のリスクになると説明する歯科医師
セラミックを長持ちさせるため噛み合わせ・マウスピース・部位に合った材質選びを説明する歯科医師

【4コマ解説】

目次

セラミックって、ほんまに割れへんの?

「セラミックって丈夫なんやろ?」
「一回入れたら、もう割れへんの?」
「奥歯でもセラミックで大丈夫?」

白く自然な見た目にできることから、被せ物の材料としてよく使われるセラミック。

しかし、結論からいうと、

セラミックは丈夫な材料ですが、絶対に割れないわけではありません。

歯にかかる力や噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばり、セラミックの種類や厚みなどによっては、欠けたり割れたりすることがあります。

大切なのは、

「セラミックだから安心」ではなく、その歯に合った材料を選び、適切に使うこと

です。

そもそも「セラミック」って何?

患者さんから、

「白いセラミックにしたいです」

と言われることがありますが、実は歯科で使う白い材料にはいくつか種類があります。

たとえば、

セラミック系材料
ジルコニア系材料
レジンを含むCAD/CAM材料

などです。

それぞれ、

強度
透明感
見た目
適している場所
削る量
接着方法

などに違いがあります。

そのため、

「白い歯=全部同じセラミック」

というわけではありません。

銀歯や白い被せ物の材質については、
「#063 銀歯と白い被せ物、何が違うん?」
でも詳しく解説しています。

セラミックは硬いけど「絶対に壊れない材料」ではありません

セラミックは、歯科用材料として十分な強度を持っています。

しかし、性質としては金属とは異なります。

大きな力が加わったり、力が一点に集中したりすると、

小さく欠ける
ヒビが入る
大きく割れる

といったことがあります。

つまり、

「硬い=絶対に割れない」

ではありません。

天然の歯でも強い力が加われば割れることがあるように、人工物であるセラミックにも限界があります。

セラミックが割れやすくなるのはどんなとき?

破折のリスクには、さまざまな要因が関係します。

たとえば、

歯ぎしり・食いしばりが強い
噛む力が非常に強い
噛み合わせが一部分に集中している
セラミックの厚みを十分に確保できない
硬いものを繰り返し噛む
転倒やスポーツなどで強い衝撃を受ける

などです。

つまり、材料そのものの強度だけではなく、

どのような力が、どの方向から、どのくらい繰り返しかかるのか

も重要になります。

特に歯ぎしり・食いしばりが強い人は注意が必要です

寝ている間の歯ぎしりや、無意識の食いしばりでは、歯や被せ物に繰り返し強い力がかかります。

そのため、

セラミックが欠ける
被せ物が外れる
被せ物の下の歯にヒビが入る

といったトラブルにつながることがあります。

ここで重要なのは、

壊れる可能性があるのはセラミックだけではない

という点です。

被せ物が壊れずに、その下の自分の歯に負担が集中してしまうこともあります。

そのため、被せ物だけではなく歯全体を考えて治療する必要があります。

奥歯は特に噛む力を考える必要があります

奥歯は食べ物をすりつぶす場所なので、前歯と比べて大きな噛む力がかかります。

そのため奥歯の被せ物では、

見た目だけでなく強度も重要

です。

治療する歯の位置や噛み合わせ、患者さんの噛む力などによっては、強度を重視した材料を選択することがあります。

逆に、前歯では強度だけでなく、

透明感や自然な色調

をより重視することもあります。

つまり、

前歯と奥歯で同じ材料が必ず最適とは限りません。

ジルコニアなら絶対に割れへんの?

ジルコニアは、歯科で使用されるセラミック系材料の中でも比較的高い強度を持つ材料です。

そのため、奥歯の被せ物などに使用されることがあります。

ただし、

ジルコニアだから絶対に壊れない

わけではありません。

また、ジルコニアにもさまざまな種類があり、

強度を重視したタイプ
透明感を高めたタイプ

など、性質が異なります。

そのため、

「一番硬いジルコニアにしておけば安心」

と単純に決めるのではなく、治療する歯や噛み合わせに合わせて選択することが大切です。

強ければ強い材料ほどええんちゃうの?

必ずしもそうではありません。

被せ物は単体で存在しているわけではなく、

その下の自分の歯
噛み合う相手の歯
隣の歯
噛み合わせ全体

の中で使われています。

そのため、

とにかく一番硬い材料を入れる

という考え方ではなく、

お口全体のバランスに合った材料を選ぶ

ことが重要です。

被せ物の材料選びについては、
「#063 銀歯と白い被せ物、何が違うん?」
も参考にしてください。

セラミックの厚みも大切です

セラミックの強度を十分に発揮するためには、材料に応じた厚みを確保する必要があります。

しかし、被せ物の厚みを確保するためには、その分だけ歯を削る必要がある場合があります。

そのため、

セラミックを厚くすればするほど良い

という単純なものでもありません。

自分の歯をできるだけ残しながら、被せ物に必要な強度を確保する。

このバランスを考えて歯を形成することが重要です。

噛み合わせもセラミックの寿命に関係します

被せ物を装着するときには、

高さが強すぎないか
一部分だけ強く当たっていないか
顎を動かしたときに強く接触していないか

など、噛み合わせを確認します。

一か所に力が集中すると、その部分に繰り返し負担がかかり、破折につながる可能性があります。

そのため、セラミックを長く使うには、

材料選びだけでなく噛み合わせの調整も重要

です。

マウスピースを使えば割れなくなる?

歯ぎしりや食いしばりが強い方では、状態によって就寝時にマウスピース(ナイトガード)の使用を検討することがあります。

マウスピースは、歯や被せ物に加わる力への対策として使用されることがあります。

ただし、

マウスピースを入れれば絶対にセラミックが割れない

というものではありません。

噛み合わせや歯ぎしりの状態などを確認し、必要かどうかを歯科医師が判断します。

硬いものは食べたらあかんの?

セラミックを入れたからといって、普通の食事を必要以上に怖がる必要はありません。

ただし、

氷を噛む
非常に硬い飴を噛み砕く
硬い殻などを歯で割る

といった、歯に大きな負担がかかる習慣は避けた方がよいでしょう。

これはセラミックだけではなく、天然の歯についても同じです。

歯は食事のために使うものですが、

歯を道具のように使わない

ことも大切です。

セラミックが少し欠けたらどうする?

セラミックが欠けた場合には、まず欠け方を確認します。

小さな欠けで、

見た目にほとんど影響がない
噛み合わせに問題がない
舌に当たらない

などの場合には、状態によって表面を整えて経過を見ることもあります。

一方、

大きく割れた
被せ物の内部まで破折している
中の歯が見えている
噛むと痛い

といった場合には、被せ物を作り直す必要があることもあります。

自己判断せず、まず歯科医院で状態を確認しましょう。

セラミックが割れた原因を調べることも大切です

セラミックが割れた場合、

「割れたから同じものをもう一度作る」

だけでは不十分なことがあります。

なぜなら、破折した原因が残ったままであれば、作り直しても再び同じことが起こる可能性があるからです。

たとえば、

歯ぎしりが強かった
噛み合わせが一部分に集中していた
被せ物の厚みが十分に確保できなかった
中の歯に問題があった

などです。

そのため、作り直す前に、

「なぜ割れたのか」

を考えることが重要です。

割れたのではなく「被せ物が取れた」場合もあります

食事中などに、

「白い歯が取れた!」

という場合、実際にはセラミック自体が割れたのではなく、被せ物がそのまま外れていることもあります。

被せ物が取れる原因には、

接着状態の変化
被せ物の下の虫歯
土台の破損
強い噛み合わせ

などがあります。

そのまま戻せるかどうかは、中の歯や被せ物の状態を確認して判断します。

詳しくは、
「#065 被せ物が取れた!これ、そのまま戻せるん?」
をご覧ください。

セラミックの寿命は何年?

「セラミックなら何年もちますか?」

という質問もよくあります。

しかし、被せ物の寿命は、

○年で必ず交換

と一律に決められるものではありません。

材料だけでなく、

噛み合わせ
歯ぎしり・食いしばり
虫歯リスク
毎日のセルフケア
定期的なメンテナンス
被せ物の下の歯の状態

などによって大きく変わります。

被せ物の寿命については、
「#061 被せ物って、何年くらいもつん?」
で詳しく解説しています。

噛むと痛い場合は「セラミックが割れた」とは限りません

被せ物をした歯が、

「噛むと痛い」
「少し浮いた感じがする」
「急に違和感が出てきた」

という場合があります。

原因は、

噛み合わせ
歯の根の周囲の炎症
根の先の炎症
歯のヒビ
被せ物の下の虫歯

などさまざまです。

必ずしもセラミックそのものが原因とは限りません。

被せ物をした歯が噛むと痛い場合については、
「#067 被せ物した歯が噛むと痛い…これ大丈夫なん?」
でも詳しく解説しています。

セラミックを長持ちさせるために大切なこと

セラミックをできるだけ長く使うためには、

毎日の歯磨き・フロス
定期的な歯科検診
噛み合わせの確認
歯ぎしり・食いしばりへの対応
極端に硬いものを噛む習慣を避ける

ことが大切です。

また、被せ物そのものだけではなく、その下にある自分の歯を守ることも重要です。

セラミックが何年も壊れなくても、その下の歯が二次虫歯になれば治療が必要になることがあります。

セラミックは「割れない材料」ではなく「適切に使う材料」です

セラミックは、見た目が自然で、歯科治療に広く使用されている材料です。

しかし、

セラミックなら絶対に割れない

というわけではありません。

破折のリスクには、

材料の種類
被せ物の厚み
治療する歯の位置
噛む力
噛み合わせ
歯ぎしり・食いしばり

などが関係します。

だからこそ大切なのは、

「一番硬い材料を選ぶ」ことではなく、「その歯に合った材料を選ぶ」こと。

そして、治療後も噛み合わせや被せ物の状態を定期的に確認することです。

「セラミックにしたいけど、割れへんか心配」
「歯ぎしりがあるけどセラミックにできる?」
「奥歯にはどの材料が合う?」

という場合には、歯の位置や噛み合わせまで確認したうえで、一緒に材料を選んでいきましょう。

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