食べ物がのどに詰まった!緊急対応って!?
2024年も残り少なくなり、間もなく2025年を迎えます。
高齢者が年末年始に気をつけなくてはいけない事故と言えば、モチをのどに詰まらせたことによる窒息です。こんなときに求められるのが緊急対応です。
今回は緊急対応について説明しましょう。
9分43秒間で何をする?
東京消防庁のデータによると、救急車が逼迫することも多かった2023年は、救急車が現場に到着するまでに平均で9分43秒の時間がかかっているようです。ご家族がモチなどの食べ物をのどに詰まらせた場合は救急車を呼ぶ必要がありますが、そのデータに基づくなら、救急車が到着するまで9分43秒待たなくてはなりません。
多くの場合、窒息が起こってから3、4分で顔が青紫色に変わり(チアノーゼ)、5、6分で意識を失います。呼吸が止まって5分以上経過すると救命の可能性は25%以下になるとされていますから、救護者が1人だけの場合は、救急車を呼ぶ前に異物除去を行う必要があります。救護者が複数人いる場合は、異物除去を行いながら救急車を呼びましょう。
異物除去には「背部叩打法」と「ハイムリック法」があります。
背部叩打法
背部叩打法は被救護者がイスに座った状態で頭を下げ、被救護者の胸に手を当てます。そして、左右の肩甲骨の中間あたりを手のひらの基部で力強く何度も頭の方向に向けて叩きます。
また、被救護者が横になっている場合は、救護者の側に向けて横向きに寝かせます。こうしてから、手のひらの基部で左右の肩甲骨の中間を頭の方向に向かって何度も力強く叩きます。
ハイムリック法
背部叩打法で効果がなかったときはハイムリック法を行います。
力のある男性が行う場合は、被救護者を立たせて行いますが、救護者が女性の場合は、座ったままの体勢で結構です。
救護者は被救護者の背後からウエスト付近に手を回します。一方の手でへその位置を確認し、もう一方の手で、握り拳を作って親指側を被救護者のへその上方、みぞおちの十分下方に、当てます。
へそを確認した手で握り拳をにぎり、素早く手前上方へ圧迫するように突き上げます。これを数回くり返します。
肺の空気を外に出す流れで、のどに詰まった食べ物を外に押し出すイメージで行いましょう。
ハイムリック法を行った場合は、腹部の内臓を痛める可能性があるため、救急隊にその旨を伝えるか、すみやかに医師の診察を受けさせてください。
なお、妊婦や乳児にはハイムリック法は行なえません。背部叩打法のみ行うようにします。