#062 被せ物の中って、また虫歯になるん?

被せ物の中でもまた虫歯になるのか歯科医師に質問する患者さんの4コマ漫画
被せ物と歯の境目のすき間や汚れから二次虫歯になる仕組みを説明する歯科医師
接着の劣化・磨き残し・甘い物・歯ぎしりが被せ物の二次虫歯につながると説明する歯科医師
被せ物の二次虫歯を防ぐため歯磨き・フロス・定期検診を勧める歯科医師

【4コマ解説】

目次

被せ物の中って、また虫歯になるん?

「一回ちゃんと治して被せ物したのに、また虫歯になるん?」
「銀歯の中が虫歯になるって聞いたけど、ほんま?」
「被せ物してたら歯は守られてるんちゃうの?」

実は、一度治療して被せ物をした歯でも、再び虫歯になることがあります。

これを一般的に、

二次虫歯(二次う蝕・再発う蝕)

と呼びます。

被せ物そのものが虫歯になるわけではありません。

虫歯になるのは、被せ物の下や周囲に残っている自分の歯です。

そのため、

「被せ物をした=もうその歯は虫歯にならない」

というわけではありません。

被せ物の中に、まだ自分の歯が残っています

被せ物をすると、外から見える部分の多くが人工物になります。

しかし、その中には被せ物を支えている自分の歯が残っています。

つまり、

外側:被せ物
内側:自分の歯

という構造です。

セラミックや金属そのものは虫歯にはなりませんが、その下にある自分の歯は天然歯なので、条件がそろえば再び虫歯になります。

これが、被せ物をした歯でも虫歯になる大きな理由です。

二次虫歯はどこから始まりやすい?

特に注意したいのが、

被せ物と自分の歯との境目

です。

どれだけ精密に作られた被せ物でも、自分の歯と人工物がつながる境目は存在します。

その周囲にプラークが残り続けると、虫歯が始まることがあります。

そして虫歯が進行すると、被せ物の内側へ広がっていくことがあります。

このため、被せ物をした歯では、

境目をきれいに保つこと

がとても重要です。

被せ物の中の虫歯は気づきにくいことがあります

二次虫歯のやっかいなところは、外から見ただけでは分かりにくい場合があることです。

被せ物に覆われているため、

「見た感じ何ともない」
「被せ物もちゃんと付いてる」
「穴なんか見えへん」

という状態でも、その内側で虫歯が進んでいることがあります。

さらに、以前の治療で神経を取っている歯では、虫歯が進行しても痛みを感じにくいことがあります。

そのため、

「痛くないから大丈夫」

とは限りません。

定期的に被せ物と歯の境目をチェックすることが大切です。

被せ物の寿命にも二次虫歯は関係します

被せ物が何年使えるかは、材質だけでは決まりません。

被せ物そのものが壊れていなくても、その下の歯が虫歯になれば、被せ物を外して治療し直す必要が出てくることがあります。

つまり、

被せ物を長持ちさせる
というより、
被せ物の下にある自分の歯を長持ちさせる

という考え方が大切です。

被せ物の寿命については、
「#061 被せ物って、何年くらいもつん?」
でも詳しく解説しています。

なんで一度治したところが、また虫歯になるん?

虫歯治療をすると、虫歯になった部分を取り除いて被せ物などで修復します。

しかし、それによって、

その人自身の虫歯になりやすさまでなくなるわけではありません。

たとえば、

  • プラークが残りやすい
  • 甘い飲食物を頻繁にとる
  • 歯磨きが十分にできていない
  • フロスや歯間ブラシを使っていない
  • 唾液量が少ない
  • 定期検診を受けていない

といった条件が続けば、被せ物をした歯でも再び虫歯になる可能性があります。

つまり、

虫歯を治療したあとも、虫歯予防は続きます。

被せ物の境目にプラークを残さないことが大切です

毎日の歯磨きでは、被せ物の真ん中だけではなく、

被せ物と歯ぐきとの境目

を意識してください。

歯ブラシだけでは汚れを落としにくい歯と歯の間については、

デンタルフロス
歯間ブラシ

などを併用すると効果的です。

特に被せ物が何本も入っている方では、どこに汚れが残りやすいかを歯科医院で確認し、自分に合った清掃方法を身につけることが重要です。

被せ物が古くなると必ず虫歯になるの?

古いから必ず虫歯になるわけではありません。

長く使用している被せ物でも、

境目に問題がない
虫歯がない
被せ物が安定している
歯ぐきの状態も良い

のであれば、そのまま使用できることがあります。

反対に、比較的新しい被せ物でも、境目にプラークが残り続けたり、新しい虫歯ができたりすれば治療が必要になることがあります。

そのため、

「○年経ったから交換」

ではなく、

現在の状態を診て判断する

ことが大切です。

被せ物と歯の間に「すき間」ができることもあります

長期間使用している被せ物では、さまざまな理由で境目の状態が変化することがあります。

また、被せ物の下に虫歯ができると、その結果として適合が悪くなることもあります。

そのような状態では、プラークがたまりやすくなったり、食べ物が入り込みやすくなったりすることがあります。

ただし、

「古い接着剤が溶けたから必ず虫歯になる」

という単純なものではありません。

被せ物の適合状態、虫歯の有無、噛み合わせ、清掃状態などを総合的に確認する必要があります。

被せ物が取れたとき、中が虫歯になっていることがあります

被せ物が突然取れたとき、

「これ、そのまま付け直してもらえるんかな?」

と思う方は多いと思います。

実際、被せ物や中の歯に問題がなければ、再装着できる場合もあります。

しかし、外れた原因が、

被せ物の中の虫歯
土台の破損
歯そのものの破折

などの場合には、そのまま戻すことができません。

まず原因を確認してから治療方法を決めます。

被せ物が外れた場合については、
「#065 被せ物が取れた!これ、そのまま戻せるん?」
で詳しく解説しています。

食べ物が詰まるようになったら要注意?

「最近、被せ物の横に食べ物がよく詰まる」

という変化も、歯科医院で確認した方がよいサインの一つです。

食べ物が詰まりやすくなる原因には、

歯と歯の接触関係
被せ物の形
歯の移動
歯周病
虫歯

などがあります。

食べ物が詰まった状態が続くと、その部分にプラークが残りやすくなり、虫歯や歯ぐきの炎症につながることがあります。

詳しくは、
「#068 被せ物のところに食べ物詰まる…なんでなん?」
をご覧ください。

銀歯やセラミックで二次虫歯のなりやすさは違う?

被せ物には、金属やセラミック、ジルコニアなどさまざまな材料があります。

材質によって、

歯との適合
接着方法
表面の性質
強度
審美性

などに違いがあります。

しかし、

「セラミックにすれば絶対に二次虫歯にならない」
「銀歯だから必ず虫歯になる」

ということではありません。

どの材料を使用しても、その下に自分の歯が残っている以上、二次虫歯の可能性はあります。

材質だけでなく、

治療の精度
日々の清掃
虫歯リスク
定期的なチェック

なども重要です。

銀歯と白い被せ物の違いについては、
「#063 銀歯と白い被せ物、何が違うん?」
で詳しく解説しています。

歯ぎしり・食いしばりも被せ物のトラブルに関係します

歯ぎしりや食いしばりによって強い力がかかると、

被せ物が欠ける
被せ物が外れる
歯にヒビが入る

などのトラブルが起こることがあります。

それ自体が直接虫歯を作るわけではありませんが、被せ物や歯が壊れることで、結果として細菌が入りやすい状態になる場合があります。

そのため、強い歯ぎしり・食いしばりがある方では、噛み合わせや被せ物の状態も定期的に確認することが大切です。

二次虫歯になったら、被せ物は作り直し?

虫歯の位置や大きさによります。

小さな範囲で処置できる場合もありますが、被せ物の内側まで虫歯が広がっている場合には、一度被せ物を外して治療する必要があります。

虫歯を取り除いたあと、

残っている歯の量
神経の状態
土台の状態
歯のヒビや破折の有無

などを確認し、新しい被せ物を作るかどうかを判断します。

虫歯が非常に深く進行している場合には、根管治療が必要になることもあります。

だからこそ、できるだけ早い段階で見つけることが重要です。

定期検診では被せ物の「中」も意識して確認します

被せ物が入っている歯では、定期検診で、

境目に虫歯がないか
歯ぐきに炎症がないか
被せ物が欠けていないか
被せ物が動いていないか
食べ物が詰まりやすくなっていないか
噛み合わせに問題がないか

などを確認します。

必要に応じてレントゲンを撮影し、外から見ただけでは分からない部分を確認することもあります。

早い段階で異常を見つけることができれば、大きな治療になる前に対応できる可能性があります。

被せ物をした歯こそ、しっかりケアしましょう

「もう被せ物したから、この歯は安心」

ではありません。

むしろ、一度大きな虫歯になって被せ物まで治療した歯だからこそ、これ以上歯を失わないためのケアが重要です。

毎日の、

歯磨き
フロス
歯間ブラシ

に加えて、定期的な歯科検診を受けましょう。

そして、

「被せ物の境目が引っかかる」
「食べ物が詰まるようになった」
「被せ物がグラグラする」
「噛むと違和感がある」
「被せ物が取れた」

といった変化があれば、一度状態を確認してください。

被せ物は虫歯になりません。

でも、

その下にある自分の歯は、もう一度虫歯になることがあります。

被せ物を長持ちさせるためにも、その下にある大切な自分の歯をしっかり守っていきましょう。

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