お口の中、観察していますか?

皆さん、口腔ケアで介助みがきをするときは、実際に歯をみがく前にお口の中をしっかりと観察することが重要です。口の中の状態はその人のかかっている病気や服用している薬、性格、環境で大きく違ってくるのです。

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見える部分だけでなく「見えない部分」も観察!

基本的なチェックポイントはむし歯や歯の動揺の有無、歯ぐきの状態、粘膜の傷の有無といった見える部分です。もちろん乾燥状態や衛生状態も確認します。
加えて目に見えない部分もチェックします。痛みを訴える箇所の有無、口臭・嚥下障害・言語障害などの有無も確認しましょう。

加齢によってこう変化する

年齢とともに人間の肉体は変化します。お口の中の例外ではありません。加齢によってそれぞれの箇所には、次のような変化が現れます。
(1) 歯:磨り減る、短くなる、黄色くなる
(2) 歯肉:弾力性が低下、歯冠部が長くなる
(3) 唇:萎縮し、弾力性が低下する
(4) 顎の骨:細く小さくなり下顎が前に出る
(5) 顎の関節:平坦になり、変形する
(6) だ液腺:萎縮して唾液の分泌量が減少する
(7) 下顎と舌:不随意運動が出やすくなり、入れ歯が不安定になり入れ歯の作成が難しくなる
(8) 口の感覚:感覚が鈍くなり、痛みを感じにくくなる
(9) 味覚:味蕾(味を感じる場所)が萎縮し、味覚障害が発生しやすくなる

こんなときは口腔ケアを見直そう!

お口の中を観察したときに、次のような変化が確認できたときは、口腔ケアの方針を見直しましょう。歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。
(1) リウマチなどによる顎関節の障害がみられたとき
(2) 顔面筋障害や意識障害による開口障害がみられたとき
(3) 肺機能の低下による呼吸不全がみられたとき
また、口の中の状態には問題はなくても、指示が通らない、意思疎通がスムーズにできないなどの認知症の進行が見られたときも、口腔ケア方針の見直しが必要になります。

自分で感じることができないから「観察」が重要

自分の口は観察しなくても自分の感覚で感じられることが多くあります。歯が痛むな、口を開きにくいな、粘膜に傷ができたななどと、ダイレクトに情報が伝わります。しかし、他人の口の中の状態は直接感じることができません。それだけに「観察」が重要になります。観察することで、これは痛いぞーとか、あそこが当たって傷ができたのかな?と想像できるようになのです。
介助する相手の口の中の状態をしっかりインプットできたら、その情報をもとに口腔ケアを始めましょう!

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