うがいできていますか?
毎日の口腔ケアで欠かさず行っているのに、多くの方が無意識のうちに済ませてしまっているのが「うがい」です。
でも、実は「うがい」には口腔ケア介助に関する大切な情報がたくさん含まれているのです。口腔ケア介助などを始められた方は、ぜひ最初に「うがい」の状態を観察してみてください。
口腔ケアの最終段階を左右する「うがい」
口腔ケアというと、歯みがきや歯間ブラシ、フロスといった清掃場面をイメージされると思います。しかし、これらの清掃で掻き出された汚れはしっかりと吐き出さなくてはいけません。
口腔ケアでは、汚れを吐き出すこの段階が非常に重要です。せっかく掻き出したお口の汚れもお口の外に吐き出さなければ口腔ケアは完了しないからです。万が一、掻き出した汚れをしっかりと吐き出すことができず、誤嚥してしまったりすると誤嚥性肺炎を引き起こしてしまう危険もあるのです。
それだけ重要な「うがい」ですから、「自分でどこまでできるか」は口腔ケア介助をどのように行うかを決定する重要な要素になります。
では、その観察ポイントを説明しましょう。
うがいのチェックポイント
うがいチェックは次の3つのうちの、どのタイプに当てはまるかを観察します。
タイプ1:うがいができる
通常のうがいをできている方です。うがい中にむせたりすることがなく、スムーズにうがいできている方はタイプ1です。このような方は多くが「自分で歯みがきなどの口腔ケアができている」と思っています。しかし、磨き残しなど口腔ケアのごく一部に不足な点があることがあることもあります。介助されることを嫌がる方も多いので、最初は手助けしようとせずに見守るようにして、最後に仕上げ磨きなどができるとよいでしょう。
タイプ2:うがいはできるけど、ちゃんとできていない
このタイプはむせることもなくうがいができるので、一見しっかりとうがいできているように思ってしまいます。しかし、ブクブクしている間に口から水がもれていたり、うがいした水を口からすべて吐き出し切れていなかったりします。このようなタイプの方は、ブラッシングなども磨き残しが多くなる傾向にあるので、本人のケア終了後に磨けていなかった部分のブラッシングをしたり、吐き出しきれていない汚れを再度うがいで吐き出してもらったりする介助が必要です。
タイプ3:うがいができない
うがいをしようとするとむせてしまうタイプです。このタイプの方は、自分でブラッシングするのも難しいことが多いため、ブラッシングからの介助が必要になります。うがいができなくても、吐き出すことができる方がおられます。そんな方には、ブラッシング後に可能な限りお口のなかの汚れを吐き出してもらいます。その後、スポンジブラシや口腔ケア用シートでお口のなかの汚れを取り除きます。
お口の汚れを吐き出すことも難しい方は、お口のなかに食べ残しなども多いため丁寧にブラッシングしたあと、スポンジブラシや口腔ケア用シートで汚れを取り除きます。
このようにうがいの様子を観察することで、その方への口腔ケア介助のポイントも見えてきますよ。