訪問歯科を受けるときの費用について
訪問歯科診療の存在を知っていて利用してみたいと思うけど、「どのくらいの費用がかかるのかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。歯科医院への通院が困難なご家族や施設の入所者などに訪問歯科診療を!と思っている方々も、費用の目安がわからなければ実行に移すのは難しいですよね。
今回は、歯科医院へ通院する場合とはちょっと違う、訪問歯科診療の費用について説明しましょう。
訪問歯科診療の費用は3つの料金で構成
訪問歯科診療の費用は3つの料金から構成されています。「診療費」と「指導費」と「治療費」の3つです。これらの合計金額が訪問歯科診療の費用になります。最後の「治療費」は外来での治療費と同じと考えてください。
では、「診療費」と「指導費」って何でしょうか?順番に説明していきます。説明をわかりやすくするために、医療保険・介護保険ともに1割負担の場合での料金を目安としてお知らせしましょう。
「歯科訪問診療料」の料金
診療費は正式には「歯科訪問診療料」と言います。この費用は医療保険の適用になります。
個人宅などの患者さんのところへ訪問して診療した場合は1,100円、施設などを訪問して同じ日に2人から9人の患者さんを診療した場合は360円、10人以上の患者さんを診療した場合は110円の料金が発生します。
ちょっと難しいですが、「1日の訪問」で「同じ建物」で「何人の患者さんの診療をしたか」によって料金が違ってきます。
指導費の料金
指導費は歯科医師が患者さんの口腔状態を管理するとき、そしてその歯科医師の指示に基づき歯科衛生士が患者さんに口腔ケアや口腔リハビリなどの口腔衛生の管理や指導を行ったときに発生します。
この指導費は「在宅」の場合は、介護保険が適用になり、「施設」の場合は医療保険の適用になります。
「在宅」とは、個人宅や有料老人ホームにいらっしゃる患者さんのことで、この患者さんの口腔管理を行なったときに発生する指導費を「歯科医師居宅療養管理指導費」といいます。最高で1日560円です。
また、この歯科医師の指示を受けて歯科衛生士が口腔ケアや口腔リハビリなどの口腔衛生管理や指導を行ったときには「歯科衛生士等居宅療養管理指導費」が発生します。最高で1日361円かかります。これらは介護保険が適用になります。
一方、介護保険ではなく医療保険の適用になる「施設」とは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院などにいらっしゃる患者さんのことです。この患者さんの口腔管理を行ったときには「歯科疾患在宅療養管理料」が発生します。最高で1日340円です。
また、この歯科医師の指示を受けて歯科衛生士が口腔ケアや口腔リハビリなどの口腔衛生管理や指導を行ったときには「訪問歯科衛生指導料」が発生します。最高で1日360円かかります。
処置費の目安は?
最後に実際の治療費の目安をお伝えしましょう。この金額は外来での治療費とほぼ同じです。
入れ歯の調整なら150〜300円、入れ歯の製作なら3,200〜5,000円、初期のむし歯治療なら1回250〜800円。これらは患者さんのお口の状態や使用する材料の値段によって変動します。あくまでも目安として考えてください。
訪問歯科診療にかかる費用は以上です。その他「謝礼」などといったものは一切かかりません。
すべての料金に医療保険、もしくは介護保険が適用になります。
ご興味がある方は、一度ご相談ください。