知ってるようで知らない?口腔ケアの介助

寝たきりや片マヒ、認知症などで自分ではしっかりと歯みがきをできない方がいらっしゃいます。そんなときは、同居しているご家族や利用している施設のスタッフの方々が歯みがきのお手伝い(口腔ケアの介助)をしてあげましょう。

歯みがきは皆さんが普段から行っていることですから、口腔ケア介助も簡単にできると思われがちですが、実は他人のお口を清掃することは、結構難しいのです。

目次

誤嚥のリスクは把握できていますか?

口腔ケアでもっとも注意しなくてはいけないのが、誤嚥です。せっかくお口のなかをきれいにしようと思っても、歯みがきなどで掻き出したお口の汚れを誤嚥してしまっては意味がありません。口腔内の汚れが誤嚥によって肺に侵入してしまうと、最悪のケースでは誤嚥性肺炎になってしまうこともあるのです。

口腔ケア介助を行う前には、相手の嚥下機能をしっかりと把握しておく必要があります。

ケア中に唾液などを飲み込んでしまうことがないか?

ぶくぶくうがいができるか?

汚れをしっかりと吐き出すことができるか?

といったことを把握しておきましょう。

口腔ケア介助での体勢は?

いざ口腔ケア介助を行うことになって「あれ、そういえばどうするんだっけ?」となってしまうのが介助時の体勢です。

自分の歯みがきでは考える必要のなかったことです。

口腔ケア介助時の体勢は「絶対にこれ!」というのはありません。相手の状態に合わせて体勢を作るのが基本です。

椅子に座って行う口腔ケア介助では、正面から行うケースと背後から行うケースがあります。どちらを選択するかは、相手の状態次第です。

介助をする相手が椅子に安定して座れる場合は、正面から口腔ケア介助を行いましょう。特に認知症の方の場合は不安感が大きいので、目と目を合わせて介助ができる正面からの体勢がよいと思います。

介助をする相手がイスに安定して座れない場合は、背後に回って頭部を安定させながら口腔ケア介助を行いましょう。特に頭の位置が安定せずにグラグラしている方は、ケア中に誤嚥してしまう危険がありますから、背後から頭部に腕を回して、しっかりと固定して介助を行うのが重要です。

負担をかけないように短時間で済ませる

口腔ケア介助は短時間に済ませることも大切です。ていねいに清掃してあげようと思うあまり、口腔ケア介助が長時間になってしまうと相手の身体にも負担がかかってしまいます。

終わりがわからずに、とにかく口を開けているというのは、結構疲れるものです。疲れてくると誤嚥も発生しやすくなりますから、口腔ケア介助は手際良く、効率的に行いましょう。また、「30秒だけ口を開けてくださいね」というように事前に時間を伝えてあげると、相手の負担も軽くなります。

ケア中は、こまめに口の汚れを吐き出してもらうことも大切です。口のなかに汚れを唾液がたまってしまうと、うっかり誤嚥してしまうこともありますからね。

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