こんなに違う?高齢者のむし歯

高齢者の皆さんの口腔ケア意識の高まり、さらにはご家族や施設スタッフの尽力もあって、以前に比べて「多くの歯が残っている」方が増えてきました。しかし、皮肉なことに、「歯が残っているためにむし歯に悩まされる」というケースもあるのです。

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高齢者のむし歯は特殊?

一般的なむし歯は、歯と歯のかみ合わせ部分や歯と歯の間など、普段の歯みがきでみがき残してしまいがちな部分によく見られます。
ところが、高齢者の場合は歯周病などによって歯ぐきがやせて歯の根本のセメント質が露出してしまい、その部分からむし歯になることが多いのです。こうしたむし歯を「根面う蝕(こんめんうしょく)」と呼びます。このむし歯は一般的なむし歯とはちょっと性質が異なるのです。

治療が難しい根面う蝕

一般的なむし歯は歯のエナメル質の部分に歯垢がつき、歯垢内のむし歯菌が出す酸によって硬いエナメル質が徐々に溶かされていきます。一般のむし歯は、初期段階で発見することも比較的簡単で、むし歯菌の特定もできているので、簡単な治療で終了するケースもあります。
しかし、根面う蝕の場合は歯の根本の露出したセメント質がむし歯になってしまうために、セメント質の内側にある象牙質にむし歯菌が簡単に侵入してしまいます。
歯の根本の部分がむし歯菌に侵されてしまうため、進行すると根本部分から歯が折れてしまう危険もあるのです。
さらに、根本部分から奥深くへと進行するむし歯のため、治療が難しいというのもやっかいな点です。

根面う蝕の予防法は?

根面う蝕を予防するには、まずは口腔内の環境を整えることです。普段の口腔ケアはもちろん、専門家による口腔ケアで歯周病を改善・予防し、唾液の分泌も促しましょう。歯ぐきが健康になり、唾液が活発に分泌されるようになると、根面う蝕の予防にもつながります。
皆さんが行う普段の口腔ケアに歯ぐきのマッサージや唾液腺のマッサージを取り入れるのもよいですね。

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