高齢者の病気に配慮した歯科治療&口腔ケア

訪問歯科診療でうかがう患者様は、もともとが通院困難な方々です。お口の病気以外になんらかの全身疾患をもってらっしゃいます。訪問歯科診療での口腔ケアでは、患者様それぞれの病気に配慮しながら歯科治療や口腔ケアを行います。
高齢の患者様によく見られる高血圧、糖尿病、認知症を例に訪問歯科診療時の対応を説明しましょう。

目次

高血圧の患者様への訪問歯科診療

高血圧の患者様に対しては、血圧のコントロールへの配慮が最重要事項になります。人間は緊張したり不安を感じたりすると血圧も上がってしまいますから、まずは治療や口腔ケアの前にリラックスしていただくことが大切です。
「おしゃべりをしに来ました」という雰囲気でご挨拶し、患者様がリラックスしていただけたら治療やケアを始めます。
もちろん、治療や口腔ケアでは患者様が痛みを感じることのないように配慮いたします。抜歯などの出血をともなう治療に際しては、患者様の体調や服用されているお薬と合わせて慎重に検討いたします。
また、高血圧の患者様は服用されているお薬の影響で歯ぐきが腫れているケースもあります。こうした患者様へは口腔ケアの際に、やわらかいブラシを用いてやさしくマッサージを行うようにブラッシングを行います。

糖尿病の患者様への訪問歯科診療

糖尿病と密接に関連するお口の病気が歯周病です。
糖尿病の患者様は歯周病になりやすく、また歯周病が進行すると糖尿病も悪化しやすいと言われています。糖尿病で高血糖状態が続くと、白血球の機能が低下してしまいます。すると、体内の炎症が進んで組織が壊れやすくなるため、歯周病になりやすくなるのです。
逆に、歯周病治療によって血糖値が改善されるという効果も報告されています。
ですから、糖尿病の患者様の口腔ケアでは歯周病ケアが大切です。
口腔ケアでは歯石除去や歯肉マッサージを行って歯周病の予防・改善を行います。
また、糖尿病の患者様は唾液の分泌量が減少し、口が乾燥しやすいため、口腔内の汚れや口臭も目立つようになります。歯みがきや舌磨きを丁寧に行うことはもちろん、唾液腺マッサージなどで唾液の分泌も促します。

認知症患者様への訪問歯科診療

認知症の患者様への訪問歯科診療では、訪問スタッフのことを患者様が忘れている場合でも不安にならないように、毎回の自己紹介と挨拶を欠かさないようにしています。
認知症の患者様には不安が大敵ですから、治療や口腔ケアの際はこれから行うことをしっかりと説明して、了解をいただいてから処置を開始します。いきなりお口に触れるようなことはせずに、手や肩のマッサージからスタートするのも大切なポイントです。
治療を行ったらお口の痛みがなくなった、または口腔ケアを行ったらお口がさっぱりとして気持ちがよかったと思っていただけるような訪問歯科診療を心がけています。
このように訪問歯科診療では、患者様1人ひとりの状態に合わせた治療やケアをお届けできるよう、さまざまな工夫をこらしています。

お友達にご紹介お願いいたします。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次