とてもつらい!ドライマウス

緊張などで口の中がカラカラになるという経験をしたこと、ありませんか? 私はあがり症なのでしょっちゅうです(汗)。
でも、緊張しているわけでもないのに口の中がカラカラに乾燥してしまい、その状態がずっと続くという症状があるのです。それをドライマウスといいます。今回は、ドライマウスについて知っていただきたいことがあるのです。

目次

実は大量に分泌されている唾液!

成人の場合、唾液は1日に1000~1500mL分泌されています。けっこうな量ですよね。
この唾液には以下のようなさまざまな働きがあります。

  • 口の中の水分を保ち、乾燥を防ぐ
  • 消化液としてはたらく
  • 食塊を形成し、飲み込みやすくする
  • 食物から味成分をとかして、味を舌で感じさせる
  • 発音をなめらかにする
  • 口の中をきれいにし、口腔粘膜を保護する
  • 歯を石灰化し、歯を守る
  • 口の中の細菌の増殖を抑制する
  • 酸やアルカリをやわらげる
  • 入れ歯を維持する

ですから、唾液の分泌量が減少してドライマウスになると、体にさまざまな不具合が出てきます。

なぜドライマウスになるの?

口腔が乾燥する原因としては、糖尿病などの病気や薬の副作用で唾液の分泌が減るということがありますが、最も多いのが加齢による口腔機能の低下です。

唾液の分泌する唾液腺の働きが加齢によって低下するために、唾液の分泌量が減少してドライマウスになってしまうのです。
なかでも経管栄養の方などは、口腔への刺激がなくなるため、唾液の分泌がさらに減少します。その分ドライマウスのリスクも高くなってしまいます。

高齢の方の場合、口腔内の感覚が鈍くなってしまい、乾燥を感知しにくくなるだけでなく、認知症などの症状によって意思疎通も難しくなることも重なり、気づかないうちにドライマウスが進行しているというケースも少なくありません。口腔ケア前の口腔内観察などで、乾燥の有無を確認するようにしましょう。

唾液の分泌をおさえる薬に注意!

潰瘍治療薬や降圧剤、抗うつ剤、パーキンソン病治療剤、抗ヒスタミン剤、鎮静剤、睡眠薬、利尿剤などには、唾液の分泌をおさえる作用があります。

高齢者のドライマウスで多く見られる症状

要介護の方に起こりやすい口腔乾燥の症状としては、次のようなものがあります。

舌が口蓋にこびりつく

ドライマウスによって乾燥したタンが口蓋にこびりついているケースがよくあります。

うがいのできない方の口腔ケアでは、保湿剤をスポンジブラシで塗布して、乾燥しているタンをふやかせて除去します。タンがこびりついている部分の粘膜を傷つけることのないように、力加減には十分な注意が必要です。

口腔内の乾燥によって咀嚼や嚥下がスムーズにできない

お口の中が乾燥していると、スムーズに咀嚼したり嚥下したりすることも難しくなります。食事中にムセたり、食べ物を嚥下するのに苦労したりすることもあるでしょう。食事の前に唾液腺のマッサージを行ったり、保湿剤を塗布したり、食事中にこまめにお茶などを含んだりすることで、誤嚥を防止しましょう。

ドライマウス予防のポイント

  • かむ回数を増やして唾液の分泌を促進する
  • こまめに水分補給をする
  • うがいの回数をふやす
  • 室内の温度・湿度に気をつける
  • 乾燥予防や保湿用の洗口剤を使う

ドライマウスでお困りの方は、びわ湖大津デンタルクリニックにご相談ください。

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